さまざまなアプリケーション分野に搭載されるプロセッサの数や複雑度の増加に伴い、ソフトウェア開発を可能な限り早期に開始する必要性が高まっています。ARMプロセッサはモバイル機器、コンシューマ機器、自動車など広範囲にわたる市場の製品に搭載されるようになっています。こうした状況下で、ソフトウェアのボリュームは増え続け、その一方で開発期間には短期化の圧力が強まっており、ソフトウェアの早期開発開始を可能にするツールを求める声が高まっています。ARMプロセッサ向けVDK(Virtualizer™ Development Kit)ファミリーは、こうした広範囲にわたるアプリケーション分野の開発を支援するモデル群とソフトウェア・ツールをご提供します。Cortex®ファミリーのすべての既存ARMプロセッサ (Cortex-M、Cortex-R、Cortex-A) をサポートし、既存のソフトウェア・デバッガをそのまま活用できるため、開発期間の短縮が容易になります。
VDKは、開発対象の組み込みシステムの仮想プロトタイプとして使用できるソフトウェア開発キットです。広範囲にわたるソフトウェア開発ケースをサポートしているだけでなく、半導体開発企業内部のソフトウェア開発者はもちろんのこと、その納入先企業やパートナー企業のソフトウェア開発者にも活用していただけます。VDKは、マルチコア向けソフトウェアのデバッグ/解析ツール、リファレンス・ソフトウェア・スタック、ARMv7/ARMv8プロセッサ・ベースのリファレンス・デザインで構成されているため、ソフトウェア開発プラットフォームとしてすぐに利用を開始いただけます。また、これらのデザインは、Virtualizerを用いて開発対象のARMv7/ARMv8プロセッサ・ベースSoCに合わせてカスタマイズすることもできます。さらに、VDKを使用すればソフトウェア開発者は、SoCシステム全体で稼働するソフトウェアの開発はもちろん、システム上の個々のIPコンポーネントをサポートするためのソフトウェア開発(DesignWare® インターフェイスIP向けのデバイス・ドライバのポーティングなど)から効率的に着手することもできます。
ARMプロセッサ向けのVDKファミリーには、広く普及しているDesignWareインターフェイスIPのモデルが含まれます。既存のリファレンス・バーチャル・プロトタイプを活用したり、シノプシスのVirtualizer Studioを利用してご希望のDesignWareモデルを容易に追加できるため、ソフトウェア開発者は、デバイス・ドライバのような特定のペリフェラルIP向けソフトウェアの開発をプロジェクト早期段階で迅速に開始できます。