ハイエンドサーバーからコンシューマーエレクトロニクス、ウェアラブルまで、デバイスは特定のパワーエンベロープで動作するよう設計されています。SoCチームはパワーターゲットを達成するために異なるレベルの洗練されたローパワー設計技術を活用します。そしてこれらのパワーターゲットが確実に達成されたことを検証するために正確なパワー分析を必要とします。しかし、従来のデザインフローでは正確なパワー分析が遅すぎるため、パワーターゲットが達成されなかった場合のデザイン変更の余裕がありません。その結果、設計はパワーの仕様を満たさないまま期限どおりにテープアウトされるか、パワーターゲットを確実に達成するためスケジュールに遅れが発生するかのいずれかになります。いずれの状況も好ましくなく、企業に大きなコストを負わせるとともに、言うまでもなく製品化までの時間枠に間に合わない結果になります。このため、デザイン変更の基礎となる正確なパワー分析を、デザイン変更の実施が可能なフローの早い段階において取得することが不可欠です。
SynopsysのPowerReplayソリューションはSynopsys PrimeTime PXとの連携により、早期のしかも正確なゲートレベルのパワー分析を可能にします。 ゲートレベルのネットリストを実行するためのRTLのシミュレーションデータをリプレイすることにより、パワー分析を設計フローのより早期に実施することができます。PowerReplayは、主要なパワー消費ウィンドウで設計のエリアを絞り込むことにより、パワー分析フローの時間を大幅に減少させます。これにより、Synopsys PrimeTime PXパワー分析のゲートレベルのスイッチングデータの生成を、ゲートレベル環境の構築と網羅的なゲートレベルのシミュレーションを待たずに、より早期に、そしてより高速に行うことができます。