プログラム

10:00

10:40
Opening-ビデオメッセージ
日本のお客様へ  Synopsys, Inc. Chairman & Co-CEO Dr. Aart de Geus
Keynote-キーノートスピーチ

講演者

ウェアラブルがもたらす未来社会と人間情報学

東京大学 名誉教授
NPO法人 ウェアラブル環境情報ネット推進機構 理事長
工学博士 板生 清 様
「ネイチャーインタフェイスの世界」を1991年に提唱して以来、センサネットによって、人間、人工物、自然のインタフェイス(界面)を限りなく低くして、3大情報源からの発信情報、すなわち万物からの情報をシームレスに交流する調和的世界を目指してきました。さらに環境センサ、生体センサなどの各種センサからの情報がビッグデータとなり、今まで周辺機器への一方通行だった情報が、逆にウェアラブルセンサから情報ネットへと流入し、あらたなサービスが展開されることを予測しました。このときイノベーションの対象は健康、快適、環境、安全安心、強靭なコミュニティなどとなります。本講演は「万物は情報を発信する」という観点から、人間情報学をベースにして、身につけるウェアラブル機器とセンサネットワーク技術がもたらす近未来について解説します。
経 歴
NTTにおいて情報通信の黎明期において、24年間、機器開発・サービス開発に従事したのち、大学に転じて、民間企業と大学によって研究開発型NPOを立ち上げた。社会に役立つウェアラブル情報ネットサービスを目指し、人間や構造物のヘルスケア分野・環境分野などの新サービスを、機器の開発とともに提案し続けている。東京理科大学の技術経営(MOT)大学院を作り、JSTでは戦略的創造研究事業の先進的統合センシング技術創出領域を8年間総括として務め、数々の技術を世の中に送り出した。
COVERITY Track
10:55

12:20
C-1

ソフトウェアの質が競争力を高める 〜コベリティの新しいソフトウェア・テスト・アプローチ

コベリティジャパン株式会社
マーケティング部
シニア・マネージャ 安竹 由起夫
近年の製品開発では、ソフトウェアがその製品ビジネスに影響を与えるケースは少なくありません。製品開発期間の短縮によるテスト漏れ、ソフトウェアの脆弱性、製品出荷後のソフトウェア不具合など多くの問題が見受けられます。コベリティは、これらの問題に対処するために過去10年にわたりソフトウェアの静的解析技術を実用レベルに高め、オープンソースコードを含む多くのソフトウェア開発チームをサポートしてきました。
本セッションでは、セキュリティーやコンプライアンス確保などの点で静的解析技術が注目される背景、コベリティのソリューション概要からコア技術のご紹介、国内を含む導入事例と具体的な効果に触れ、コベリティが目指す新しいソフトウェア・テストのアプローチについてご説明します。
12:30

13:10
Lunch-お昼休憩 ※お弁当をご用意しております
TCAD Track
13:00

17:50
T-1~T-8
T-1 13:00~13:50

Sentaurus TCAD新機能と動向 ~製造現場でも活用される3次元TCAD~

Synopsys, Inc.
Silicon Engineering Group
Group Director, C&E Ronald Gull
ディスクリート、パワーIC、メモリーおよびイメージセンサなど、各種デバイスの機能差別化においては、3次元効果を理解し、それを有効活用することが必要不可欠です。このためには厳密な3Dモデリングが欠かせないものとなります。TCADの分野では、近年のQoR向上・TAT短縮要求の高まりにより、製品の製造現場においても3Dモデリングを使った手法が現実のものとなりつつあります。またSiCやGaNなどの新材料についても性能の向上がみられます。本セッションでは、シノプシスTCADの最新情報として、パワーデバイス向けAdvanced Calibrationモデルや高速で3D構造を作成する新しい手法(1Dbase3D)などの新機能をご紹介します。最後に、複雑化する3次元デバイスのプロセス・インテグレーションに対応するための新しい高速3Dモデリング・ツールProcess Explorerについてもご紹介します。

T-2 13:50~14:35

AlGaN/GaN HFET電流コラプスの2次元デバイス・シミュレーション

株式会社レーザーシステム
Neo事業本部
主席技師 大野 泰夫 様
AlGaN/GaN HFETで問題となっている電流コラプスを、Sentaurusを用いた2次元デバイス・シミュレーションで解析しました。解析では、基板およびAlGaN表面のトラップにSRHモデルを適用しました。GaN層にサイドゲート効果測定から求まった準位を仮定すると、回復時には負電荷の再配列から一旦電流がさらに減少すること、電子放出の時定数が長いため真の回復は有限の時間では起こらないなど、実測とは異なる結果が得られました。しかし、ゲート側面でのトンネル電流を仮定すると実験とよく似た結果になりました。ゲートのドレイン側AlGaN表面へ負電荷を注入した場合には、負電荷注入部にホールトラップによる仮想ゲート電極が形成され、実験でよく見られるニー電圧付近の電流の減少が再現できました。

T-3 14:35~15:00

MOSFET-mode IGBTの負荷短絡破壊解析

日本シノプシス合同会社
シリコン・エンジニアリング・グループ
スタッフ アプリケーション・エンジニア 田中 雅浩
IGBTの高パワー密度化に伴い、破壊現象の解析も深度化しています。特にこの分野ではTCADを用いた解析が重視され、マルチセル構造に対して格子温度上昇を考慮したトランジェント解析が広く用いられています。本セッションでは、超高速IGBTであるMOSFET-mode IGBTの破壊現象を、大規模な三次元構造を用いて解析した事例をご紹介します。MOSFET-mode IGBTとは、IGBTの特徴である伝導度変調による低オン電圧と、パワーMOSFETに近い超高速スイッチングを両立するものですが、負荷短絡耐量が低いことが知られています。今回、マルチセル構造を用いて負荷短絡動作を解析したところ、電流集中に伴う局所的な格子温度上昇が観測されました。また、三次元構造では二次元構造より多くの電流が集中する結果となり、三次元計算の有用性が明確になりました。なお、本内容は中川コンサルティング 中川明夫様との共同研究によるものです。

T-4 15:00~15:30

新TCADソフト・Sentaurus Interconnectを活用した東芝TSV&WCSP開発

岩手東芝エレクトロニクス株式会社 (現・東芝アカウンティングサービス株式会社)
アナログ・イメージングIC技術部
ファンダリー&技術管理担当 参事 白井 浩司 様
岩手東芝で実施中の、新TCADソフト・Sentaurus Interconnectを活用したTSV技術およびWCSP技術の開発事例をご紹介します。
1. TSVプロセスの低コスト化時の材料変更における応力分布の変化とそれに伴うクラック発生リスクについて、Sentaurus Interconnectを活用して事前に予測し低減する事例のご紹介。
2. WCSP薄型化に伴い発生するWafer反りおよびハンダボール剥離リスクについて、Sentaurus Interconnectを活用して事前に予測し低減する事例のご紹介。

15:30~15:50 Coffee Break -コーヒーブレイク

T-5 15:50~16:20

CMOSイメージセンサの開発におけるTCAD活用事例

東芝インフォメーションシステムズ株式会社
エンジニアリングシステム・ソリューションオフィス
TCAD技術担当 CAEスペシャリスト 千石 光洋 様
近年の微細な画素ではフォトダイオード(PD)の有効領域や、トランジスタ面積を確保するために、複数の画素が浮遊拡散層(FD)を共有する複雑な画素構成が適用されています。光電変換により発生した電子は、転送トランジスタを通してFDへ転送されますが、その間の電子の振る舞いを理解するためには、PDとその周辺構造を含むモデルで過渡的に現象を模擬し、実験と比較することが有効です。近年開発が進んでいる裏面照射型の微細な画素では、強いスポット光が照射された画素の周りへ電子が溢れ出し、画像が白い斑点状ににじむブルーミング現象が再び問題となっています。今回、微細なCMOSイメージセンサを対象にTCADを有効に用いた事例について、ブルーミング現象の解析を中心にご報告します。

T-6 16:20~16:50

第6世代 1700V FS-IGBTの開発におけるTCADの活用

富士電機株式会社
電子デバイス事業本部 開発統括部 デバイス開発部 IGBT課
尾崎 大輔 様
弊社第6世代 1700V FS-IGBTの開発において、高い短絡耐量と熱暴走温度を両立するためのフィールド・ストップ層の最適化にTCADによる解析を活用しましたのでご報告します。短絡解析では、内部電界の変化を検証することで、大電流時にコレクタ側の電界が高くなって破壊に至るモードを確認し、この現象を抑制するための最適なプロファイルを見出しました。また熱暴走の解析では、熱モデルを追加したシミュレーションによりTCAD上で実際に破壊を再現させ、熱暴走に至る温度を高く保つための最適化を実施しました。

T-7 16:50~17:20

パワーIC向け高耐圧デバイス開発へのTCAD活用

株式会社 日立製作所 中央研究所
エネルギーエレクトロニクス研究部 602ユニット
主任研究員 原 賢志 様
弊社では、誘電体分離を用いた200~600V耐圧のICを開発しています。高耐圧ICに搭載するデバイスは、ICアプリケーションにより求められる特性が異なります。また、同一IC(プロセス)内でも出力用デバイスと駆動回路用デバイスで異なる特性を必要とする場合があります。本セッションでは、TCADを活用した種々の横型デバイス開発事例をご紹介します。

T-8 17:20~17:50

フィールドプレートMOSFETにおけるShoot-ThroughのTCAD解析と抑制

株式会社 東芝 セミコンダクター&ストレージ社
ディスクリート半導体事業部 パワー半導体開発技術部
パワー半導体開発技術第一担当 西脇 達也 様
トレンチフィールドプレート(FP)MOSFETは、低オン抵抗、低Crss、低ノイズ性など、高速動作に適した優れた特性を有しています。一方、高速DC-DCコンバータではShoot-Throughと呼ばれる、デバイスの誤ターンオンによる損失抑制が重要であり、適切なFP MOSFET設計が求められていますが、設計指標は明らかではありませんでした。我々はTCAD mixed-modeモデルにより、FP MOSFETのShoot-Throughを解析し、ゲート変位電流によるゲート電位上昇と、埋め込みソース電位上昇によるダイナミック・アバランシェの2つのモードにより、Shoot-Throughが引き起こされる可能性があることを明らかにしました。また、本モデルを基に設計したデバイスを作製し、効率の向上を確認しました。