公開日:2025年4月3日

イメージセンサーの高感度化や高画素化が進む中で、簡易的なゴースト計算ツールのご要望をお客様より頂いてきました。

LightToolsに代表される照明解析系のツールを使った場合、高精度のゴースト解析が行えますが、計算時間が長いという課題がありました。

そこでこの度、光学設計解析ソフトウェアCODE Vで簡便にゴースト光路を確認するツール「2面反射ゴーストの光路図描画機能(GhoVie)」をリリースしました。

照明解析系のツールほど総合的ではないものの、レンズ設計の段階で設計者が使用できる、軽量・高速かつハンディなゴースト解析ツールがあれば、設計が進む前の段階で問題を把握し、ゴースト対策に取り掛かることができるため、設計の手戻りを減らすことができ、光学設計のプロセス上の大きなメリットが得られます。

本ツールはこのようなレンズ設計者が使用することを目的に、軽量・高速かつハンディなゴースト解析ツールとなっています。

本記事では、その機能をご紹介します。

新しい2面反射ゴーストの光路図描画機能のご紹介

本機能は、指定された面ペア、入射角のゴースト光線のYZ断面の光路図を描画します。従来、類似の機能としてGhost_Viewというマクロが提供されていましたが、Ghost_Viewと比較して以下のメリットがあります。

  • 主光線が像面に到達しなくても解析が可能
  • 90度を超えるような設計画角外の光源にも対応
  • スマートフォン用のカメラレンズのような複雑な非球面にも対応
  • レンズデータの編集を行うことなく、迷光の主要な発生源となる像面(センサー面)をゴースト発生源の面に含めることが可能
  • 表示される面番号はレンズデータの面番号と同一

以下は、本機能の出力例です。

Ghovie-image

オプション入力として、センサーの半対角長を指定すれば、センサー内に到達する光線と、センサー外に到達する光線を色分けして表示することができます。加えて、センサーのアスペクト比を指定すれば、照明解析を実行し、簡易的なゴースト像の評価を行うこともできます。

以下は、オプション入力を有効にした場合の光路図と照明解析の出力例です。

Ghovie-image2

さらに、複数のゴースト光路図を1枚のチャートにタイル状に並べて表示することができるため、迷光発生の様子を俯瞰で確認することもできます。

Ghovie-loope-image

あわせて、インタラクティブな入力によってGhoVie機能を実行するPythonスクリプトも提供しています。

キーボードショートカットによって迷光の発生条件を素早く切り替えながらゴースト光路図を描画することができるため、比較検討の作業を迅速に行うことができます。

Ghovie-ui-image

まとめ

新しいゴースト解析ツールとして、2面反射ゴーストの光路図描画機能についてご紹介しました。

近年はAIと組み合わせた画像認識技術が発展していますが、ゴーストが誤検知や誤判定に繋がるという話を伺うこともあります。本新機能を用いれば、2面反射ゴーストの解析や対策を設計の前段階から行い、設計の手戻りを回避することが期待できます。ぜひご活用ください。

本ツールのご利用方法

CODE Vをご利用中の方

既にCODE Vをご利用中かつユーザー向けサポートサイトSolvNetPlusにご登録済のお客様は、以下リンクよりSolvNetPlusに掲載の記事よりツールをダウンロードいただけます。

先にSolvNetPlusへログインのうえ、ダウンロードください。

CODE Vをご利用いただいていない方

CODE Vをご利用いただいていない方も本ツールをお試しいただくことが可能です!

CODE Vの無償トライアルと合わせて本ツールを弊社担当よりご提供いたします。

ぜひ以下ボタンよりお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせの際には、ご要望事項欄に『CODE Vトライアル/Ghovieマクロ希望』とご記載ください。

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