Optical and Photonic Solutions Blog~日本語版~
公開日:2025年1月16日
LucidShapeの最新版バージョン2024.09では、いくつかの新機能と機能強化が追加されました。これらの機能強化は、特に光学設計者が直面する最も一般的で複雑な課題に焦点を当てて行われました。マイクロレンズアレイ(MLA)のマスク計算の自動化からAdvanced Analysisの改善まで、LucidShape2024.09は、ワークフローの合理化と設計能力の向上を実現します。
LucidShape2024.09の新機能のひとつに、マイクロレンズマスクの自動作成機能があります。マイクロレンズアレイ(MLA)は、自動車の内外装用照明アプリケーションで使用される投影システムです。従来、期待通りの照明分布を実現する高品質なマスク形状の設計は、手間のかかる作業でした。しかし、LucidShapeのこの新機能により、光学エンジニアは他の設計課題に集中できるようになります。
レンズや反射鏡のデザイントレンドは、数千、あるいは数万の小さなピローやファセットを特徴とする形状へと進化しています。LucidShape2024.09は、FunGeoツールを強化することで、このトレンドに対応しています。このツールは、小さなピローやファセットをより効率的に生成できるようになり、こうした設計の反復作業を大幅にスピードアップします。さらに、CSVファイルを使用してマクロフォーカルファセットを定義できる機能により、プロセスがさらに合理化できます。設計者は設定をスプレッドシートに出力して必要な調整を行い、LucidShapeに再び取り込むことができます。この操作性により、ワークフローが簡素化され、生産性が向上します。
マクロフォーカルのリフレクターとレンズツールが強化され、ミニピローが追加されることで、設計の各面に微小なファセットを追加できるようになりました。この機能強化により、設計者は最終的な出力をより詳細に制御できるようになり、非常に細かく正確な設計が可能になります。
ミニピローツールは、指定した表面に数千ものファセットを素早く配置することが可能です。
LucidShape2024.09では、設計者の評価と作業の精度向上を支援するAdvanced Analysis機能がいくつか改善されました。グラデーション、自動ヘッドランプ照準、重心測定などの新しい前処理オプションにより、設計の微調整に役立つツールが追加されています。
Advanced Analysis機能ではビットマップ画像を読み込むことができます。
エイミングウォールを追加できる機能も、便利な機能強化のひとつです。この機能により、前照灯の解析機能がさらに強化され、設計者は設計が特定の照度要件を満たしていることを確認できるようになります。また、アセンブリ工程におけるヘッドランプ照準設定手順では、重心に関する新機能が同等の測定をサポートします。
LucidShapeのAdvanced Analysis "前照灯のための分離されたエイミングウォールビュー"
自動車用照明の設計において、法規制への準拠は重要な要素です。LucidShape2024.09 には、アダプティブ・ドライビング・ビーム(ADB)設計をサポートする新しいベンチマークおよび法規制ツールが含まれています。US-NCAPベンチマークツール、FMVSS 108 ADBツール、法規制チェッカー、C-IASIベンチマークツール、C-NCAPベンチマークツールが、今回のリリースに含まれています。これらのツールは、設計が最新の規制要件を満たしていることを確認する手段を提供し、それによって、コンプライアンス違反のリスクと関連コストを低減します。
LucidShape C-IASIベンチマークツールは、仮想環境におけるヘッドランプの光度分布を使用して
C-IASIベンチマークを計算します。
LucidShape2024.09は、自動車照明業界の光学設計者が直面する多くの課題に対応しています。マイクロレンズマスクの作成の自動化からAdvanced Analysis機能の強化まで、このリリースでは、ワークフローの合理化と設計精度の向上を目的としたさまざまな機能を提供しています。新しくなったベンチマークおよび法規制ツールにより、設計が最新の基準を満たしていることを保証し、設計者とメーカーに安心感を提供します。
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