LED/OLED、DOE(回折光学素子)、その他のパターン構造などの多くの光学デバイスは、複雑またはランダムなテクスチャを表面に持っています。このような表面は、測定データ(AFMなど)やユーザーが作成したファイルから簡単なASCIIファイルを使用して、 RSoft CAD Environment で定義することができます。本事例では、このような表面を作成する方法と、表面にコンフォーマルコーティング層を追加する方法を説明します。
図1:本事例に記載されている構造:
a) オリジナルサンプルのAFMデータによる表面レリーフマップ、b) AFMデータファイル
Height Profileは、多層セグメントの高さ(通常Yに沿って測定)をX/Zの関数として定義する式またはデータファイルとすることができ、RSoft CADでテクスチャ面を作成することができます。この例では、図1にプロットしたファイルafm.datのサンプルAFMデータを使用します。このファイルは正規化された座標系で、テクスチャの正確なサイズは後でRSoft CADで設定されます。最終的な構造体は、後の図に示すように、表面法線がZ軸に沿うように回転されることに注意してください。
Height Profileの表面にコーティングを追加するには、コーティングの表面高さを指定して、2つ目のHeight Profileを定義します。この手順は、図2に示すように、coatufユーティリティによって自動化されています。
図2:表面上に1層以上のコーティング層を設けるcoatufユーティリティの説明図
この例では、サンプルのAFMデータで定義された表面の上に、屈折率1.5の厚さ0.1μmのコーティングを追加しています。ここで使用したcoatufコマンドは以下の通りです。:
coatuf -t0.1 -sx2.5 -sy5 afm.dat afm_coat.dat
ここで、-tはコーティングの厚みを設定し、-sx/-syはデータファイルで使用される正規化された座標でコーティングを適切に適用するために必要なX/Yスケーリングファクタを設定します。新しいコーティングの高さプロファイルは、afm_coat.datファイルに保存されます。coatufユーティリティの詳細については、RSoft CADマニュアルのセクションEをご参照ください。
この構造は、図3に示すように、RSoft CADの3つのセグメントを使用して作成されます。
図3:RSoft CADで見た構造。黄色の部分はHeight Profileが定義されており、赤色の部分は基板を表している。
·黄色のセグメントはマルチレイヤーセグメントで、サンプルのAFMデータで定義されたUser 1のHeight Profileを使用しています。このセグメントでは、Height Profileで切り取られた大きな高さを持つ1つのレイヤーと、シンボルNtextureで定義された屈折率2.4を持つLayer Table(#0)が使用されています。各ポイントの最終的な高さは、コンポーネントの高さにファイルのデータを乗じたものです。通常、マルチレイヤーセグメントは XZ 平面上で定義され、高さは Y に沿って測定されます。このセグメントは、セグメントの向き設定のSeg Extendedと、Additional Component PropertiesダイアログボックスのReference Thetaの値を-90度にして回転させます。 このように、「高さ」軸は Z 軸に沿って回転されます。セグメントの回転により、「Component Height」とセグメントの長さの定義が変更されます。具体的には、「長さ」は Y に沿ったサイズ(Htexture=5um)、「高さ」は Z に沿ったサイズ(Ttexture=1um)を設定します。
Compute Material Profile ボタンをクリックすると、この構造の屈折率プロファイルが表示されます。XZ平面と3D Volumeの結果は、図4に示すとおりです。
図4:得られた屈折率プロファイル:a)XZ平面上、b)3D Volume表示
Z軸に沿ってランダムなテクスチャの表面が作られ、その上に均一なコーティングが施されていることが分かります。
本ページでご紹介した事例をもっと詳しく聞きたい、利用した製品について個別に紹介して欲しいなどご要望ございましたら、お気軽に下記ボタンよりお問合せください。