Optical and Photonic Solutions Blog~日本語版~

公開日:2023年8月7日

双方向散乱分布関数(BSDF)データを測定できるSynopsys  Mini-Diff V2とそのアプローチにより、電子ディスプレイの光散乱を評価し、その性能評価をより簡単かつ迅速にできるようになりました。

本記事ではその測定器を使った測定方法をご紹介します。

BSDF散乱とは?

以下はBSDFの理論式です。

L:観察者方向から見た試料面上の輝度

E:光源方向から資料面に投光された照度

λ:波長

ディスプレイのBSDF測定は、ディスプレイの表面や素材から光がどのように反射されるかを特徴付けるものです。

ディスプレイのBSDF散乱の測定方法

シノプシスはディスプレイの光散乱特性を測定するための複数のソリューションを提供しています。測定結果はLightToolsなどの光学設計解析ソフトウェアに取り込んで、光学系への光線追跡やバーチャル・プロトタイピングに利用することができます。

また、Synopsys Mini-Diff V2やSynopsys REFLET 180Sなど、高解像度のBSDF測定用機器を導入することも可能です。ディスプレイのBSDFを測定するための機器を設定し、わずかな測定手順でディスプレイのBSDF測定の機器を設定でき、迅速に結果を得るができます。

散乱測定器がご不要の際は、弊社が所有する環境光と温度を制御したラボにて、オンデマンドの散乱測定も行っています。本ラボではあらゆるサンプルに対して適応した測定環境をご提供しております。

BSDFの測定例

以下の例では、Synopsys Mini-Diff V2を使用したBSDFの測定方法について概要をご説明します。

まず、黒と白の基準サンプルをそれぞれ測定することにより、測定前にSynopsys Mini-Diff V2の反射特性の校正を行います。基準サンプルは、測定器に付属しています。

次に、測定器をサンプル(この場合、ディスプレイの表面)の上に置きます。反射光のみを評価し、ディスプレイからの放射光を含めないように画面は消灯します。

入射角0°、20°、40°、60°、全色(R、G、B)について測定が自動で実行されます。

右図に示す測定結果は、入射角20°、青色(B)入力光に対応するものです。この結果は狭い鏡面散乱分布を、各色、各入射角度にて類似した分布として読み取ることができます。また、ディスプレイに対する視覚的な観察結果が通常、色や角度に依存しないという私たちの認識とも一致しています。

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