Optical and Photonic Solutions Blog~日本語版~
公開日:2023年5月2日
LightTools 2023.03は、ジオメトリのインポートと作成のためのスマートな機能、モデルの詳細を素早く確認するための改良された3Dビュー、その他多くのユーザビリティのアップデートにより、より効率的な設計ワークフローを促進し、高性能な照明設計の実現を支援します。
LightToolsは、業界標準のCADフォーマットをサポートしています。インポートしたCADデータは、モデル内での配置やシミュレーションに使用できますが、サーフェスはパラメータを失います。しかし、本リリースの機能により、インポートしたサーフェスをレンズサーフェスに変換できるようになりました。これにより形状パラメータが復元され、インポートしたCADデータをLightToolsの強力な最適化と公差解析の機能で利用できるようになります。
この新しいサーフェス変換機能により、ほとんどのサーフェスはパラメータ化された自由曲面レンズサーフェスに変換され、その後、多項式非球面、ゼルニケ多項式面、Qタイプ非球面など、他の多項式タイプに変更することが可能です。また、CADエクスポート時に分割されたサーフェスを結合することもできます。
ビフォーアフター:LightToolsで分割されたサーフェスを結合
詳細については、Synopsys Learning Centerにアクセスし、約10分程度のLightTools Surface Conversionの動画をご覧ください。※
※動画の視聴には、ユーザーサポートサイトSolvNetPlusの登録が必要です。
LightTools 2022.03で導入されたレンズサーフェスは、本リリースでも進化を続けており、サーフェス形状やアパチャを定義する新しい方法によって、より速く・柔軟なジオメトリモデリングが可能になります。
例えば、以前のリリースでは、コーニック定数と半径または曲率を入力することで、コーニックレンズサーフェスを定義できました。本リリースでは、“曲線の頂点から焦点”と“焦点間距離”の新しいパラメータによってコーニックサーフェスを定義する方法が追加されています。これらのパラメータにより、所望のサーフェス性能を記述し、LightToolsにサーフェスパラメータを計算させることができます。次の図は、新しいパラメータについて示したものです。
LightToolsの”曲線の頂点から焦点”(Vertex to Focus)と”焦点間距離”(Foci Distance)のパラメータ
また、レンズサーフェスやレンズエレメントにホールを追加する新しい有用なモデリングオプションは、CODE Vとの相互運用性をさらに強化します。複数のホールを追加することができ、追加されたサーフェスに対して垂直な押し出しとして機能します。エレメント内部の各ホールには個別に光学特性を定義することができ、柔軟な対応が可能です。
LightToolsでモデリングされたホールアパチャ
LightTools 2023.03のコヒーレンスと偏光のシミュレーションの改良により、AR/VRやマイクロLEDの設計において、より正確な光源の振る舞いをモデリングできるようになります。
光源の偏光は、偏光の入力を簡素化し、偏光状態の開始位相をコントロールできるように改良されています。光源の偏光を有効にした後、ジョーンズ、楕円、ストークスの3つの偏光タイプから1つを選択できます。
選択したタイプに応じて、他の入力フィールドは読み取り専用となり、同等の偏光状態を異なる形式で表示します。この選択は、インコヒーレントとコヒーレントの両方の場合で利用可能です。
また、コヒーレントシミュレーションを支援するために、照度メッシュに追加された新しいタブで、コヒーレントフィールドのデータを確認できるようになりました。コヒーレントシミュレーションが有効な場合、受光器で収集された大きさと位相のデータをフィールドデータタブで確認することができます。
CADソフトウェアでは、複雑なモデルの内部詳細を確認するために、断面表示が設計者に広く使用されています。LightToolsでも、照明設計者が内部詳細を確認してサーフェス関係を理解し、システム内の光線の影響を調査するのに役立つ断面表示機能が利用できるようになりました。この新機能では、モデルのジオメトリを変更することなく、モデルの断面を表示することができます。
LightToolsでの断面表示
断面表示の外観をカスタマイズするためのオプションが多数用意されています。例えば、モデル内での断面の表示や位置を修正したり、モデル内のエレメントを断面カットに含めたり除外したり、断面カットされたエンティティの内部の表示を変更したりすることができます。さらに、NS光線やシミュレーション光線を含めたり除外したりすることもできます。
LightToolsのその他のユーザビリティの改良として、モデル操作中の元に戻す・やり直す機能が拡張されました。LightToolsは、モデリング中に行われた操作をたどり、編集メニューの“特定の操作まで戻す”と“特定の操作までやり直す”の2つの新しい項目を使用して、特定の操作までのモデルの状態を復元することができます。“元に戻す”と“やり直し”は、操作を実行した順に元に戻したり、やり直したりできますが、“特定の操作まで戻す”と“特定の操作までやり直す”では、一連の操作を確認し、リストから1つを選択して、1回の選択で複数の操作(つまり、その操作までのすべての操作)を元に戻したり、やり直したりすることができます。一度に最大20の操作がリストに表示されます。
LightToolsのヘルプシステムは、本リリースで刷新され、デフォルトでインストールされているブラウザを使用してヘルプトピックを表示するようになりました。ヘルプはLightToolsと共にインストールされるため、インターネット接続は必要ありません。
ブラウザで表示されるLightToolsのヘルプ
LightTools 2023.03は、レガシーライセンスとSynopsys Common Licensing (SCL)の2つのライセンスオプションをサポートしています。
ほとんどのお客様は、以前のリリースで使用されていたのと同じ種類のライセンスであるレガシーライセンスを引き続き使用することができます。以前のリリースと同じHost IDを使用する場合は、レガシーライセンスを選択してください。
SCLライセンスが必要な場合は、弊社にご相談ください。
LightTools 2023.03はすでに提供開始しています。保守契約が有効なお客様は、ユーザーサポートサイトSolvNetPlusから本バージョンをダウンロードできます。
LightTools 2023.03で強化されたその他の機能については、以下のコンテンツをご覧ください。
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