Optical and Photonic Solutions Blog~日本語版~

公開日:2024年6月21日

本記事では、夜間運転シミュレーションソフトウェアLucidDriveの新バージョン2024.03にて搭載された下記の新機能について概要を紹介します。

Car at night | Image credit: Carlos Diaz at Pexels.com


ピクセルライトベースラインレイヤー

ピクセルライトヘッドランプは、走行ビームの一部をオフにすることで、対向車を照射する配光をカットしたり、まぶしさを軽減したりすることができます。ピクセルライト機能には、3つ目の調光マトリックスレイヤーであるベースラインレイヤーが追加されました。これは既存のメインレイヤーとアイコンオーバーレイに追加されたものです。これまでのレイヤーとは異なり、ベースラインレイヤーはAFS(アダプティブ・フロント・ライティング・システム)スクリプトによって調光されることはなく、ベースとするロービームを照射し続けることができます。これはロービーム調光マトリックスに特に便利です。

図1:マトリックス・スイッチボードで、エンジニアは調光マトリックスをメインレイヤー、アイコンレイヤー、ベースラインレイヤーに割り当てることができます。

図2:ピクセルライトのロービーム部のアクティブ・ベースライン・レイヤーを示しています。車両の下部が照らされているのに対して、車内が照らされていません。

ライトデータストレージ

センサーレコーディング機能により、各フレームの動的な分光分布と調光マトリクスを保存できるようになりました。この機能強化により、LucidShapeなどのソフトウェアで動的なシーンを段階的に分析できるようになりました。例えば、ピクセルライトのマスキング(遮光)ゾーンは、グレアが残っていないか分析することができます。

図3:対向車マスキング中のマトリックスのパワーレベルの調光

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図4:対向車のマスキング中のピクセルライトの配光。マスク領域内の迷光にも配慮されます。

図5:LucidShapeに取り込んだLucidDrive走行シーンの動的解析動画。

ビークルロールの改善

LucidDriveのビークルロール機能は、SUVやトラックの増加傾向を考慮すると必要不可欠な機能で、エイミングスクリーンがそれらに適応するように強化されました。この新しい追加機能により、エイミングスクリーンを路面と合わせることができ、スクリーン上の照度変化を表示することができます。

図6:エイミングスクリーンの水平基準オプション(車軸か水平)を示すシーンダイアログボックス。

 

図7:水平モード(左)と車軸モード(右)でエイミングスクリーンを設定した車両のローリング例

ランプ切り替え用トリガーポイントスクリプト

LucidDriveは、ランプ切り替えのための新しいトリガーポイントスクリプトを提供します。これらのスクリプトは、指定されたトリガーポイントで、個々のランプセットを名前によってアクティブ化(点灯)および非アクティブ化(消灯)することができます。危険な状況での特定の路面照射灯の点灯などに応用できます。

まとめ

LucidDriveバージョン2024.03では、ソフトウェアの機能性とユーザーエクスペリエンスを向上させる多数の新機能が追加されました。リアルタイム分析と適合性に重点を置くLucidDriveは、夜間運転シミュレーション技術のパイオニアであり続けます。

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