Optical and Photonic Solutions Blog~日本語版~
公開日:2024年7月26日
スーパーカーの照明は、デザインと機能性の融合が欠かせません。シノプシスのアプリケーション・エンジニアのThorsten Schupp氏は最近の技術講演で、スーパーカー用照明の初期設計コンセプトから最終製品までの設計プロセスについて解説しました。彼はデザインと光学設計のバランスを取ることの複雑さについて語り、LucidShapeのワークフローがエンジニアの自動車照明設計についてコンセプト立案から修正、シミュレーションをいかに効率的に支援するかを実演しました。また、LucidShapeがどのように革新的なスーパーカーの照明設計を促進していくかについて、是非、以下の内容をご一読ください。
画像提供:マクラーレン・オートモーティブ
自動車の照明デザインは、クルマの潜在的な性能に対するユーザーの認識を生み出すために美的センスを活用します。丸みを帯びた柔らかなフォルムは”エネルギー効率と空力特性”を、角ばったラインは”頑丈さや力強さ”を表現します。
さらに、スタイリングについては単なる美観を超えてエンジニアリング・プロセスにも及びます。あらゆるデザインの視覚的基礎であるデザインラインとクラスAサーフェスは、エンジニアリングプロセスの重要な指針となります。
ことスーパーカーにおいては、技術的な可能性は運転する人の喜びに直結し、このようなクルマを所有したいという方の欲求を生み出すことが非常に重要です。スーパーカーは自動車における技術革新の最前線にあり、時にクルマの未来を私たちに垣間見せてくれます。この技術的な優位性は、スタイリングにも活かされます。例えば、マクラーレンP1はヘッドランプのロービームにDレンズを採用しています。このヘッドランプは他のクルマには無い、独特のデザインが施されており、マクラーレンP1ならではのデザインを強調しています。
自動車照明における光学設計の役割は極めて重要です。デザイナーは、スタイリングに生命を吹き込むと同時に、製造上の制限やコストなどの要素を最適化していきます。
ロービームは、2つの異なる光学部品で構成されています。ワイドな光の広がりを実現する2枚のDレンズと、遠方視認性を高める用途の1枚のプロジェクターレンズです。
LucidShapeは自動車光学設計者のための完全なワークフローを提供します。エンジニアは、スタイリングラインをインポートし、光学材料を割り当て、光学形状の作成から取り組みます。その後、法的規制の遵守から美観に至るまで、あらゆる要素を織り込みながら設計をシミュレーションすることができます。
画像提供:J.W.Speaker
LucidShape Functional Geometryは、エンジニアが配光拡散パラメータを制御し、設計要件に準拠した光学サーフェスを自動的に作成するためのツールです。この機能的な特徴により、エンジニアは照明設計の概念化、修正、シミュレーションを効率的に行うことができます。
理論を具現化したマクラーレンP1は、光学デザインとスタイリングの融合の成功例と言えます。
Schupp氏の講演では、P1のロービーム、ハイビーム、デイタイム・ランニング・ライト、ターンインジケーターの複雑な設計が紹介しました。例えば、コリメーターレンズ、Dレンズ、プロジェクターレンズを効率的に使用し、さまざまな走行条件下で効率的な照射が実現されている点を伝えています。
Schupp氏の講演は、皆さんが日常、道路上で目にするヘッドライトやテールライトの輝きの背景にある複雑なプロセスをわかりやすく伝え、自動車の照明デザインにおいて美観と機能性を巧みに調和させるために必要な無数のツールについて語りました。詳細をご覧になるには下記のボタンをクリックしてください。
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