Optical and Photonic Solutions Blog~日本語版~

公開日:2024年12月25日

シノプシス オプティカル ソリューションは、光学エンジニアによるイメージングシステムの設計と検証の方法を革新する、画期的なイメージングシステムシミュレーター、ImSymをリリースしました。

ImSymは、お客様のイメージングシステムをエンドツーエンド(一気通貫)で物理的に正確な仮想プロトタイプを作成し、革新的な製品の市場投入をより迅速かつ容易にします。ImSymが光学イメージングシステム設計の複雑な課題にどのように対処するかや、ImSymが設計に不可欠なツールである理由を以下で紹介します。ぜひご一読ください。


高度な光学イメージングシステム開発の課題

カメラなどの高度な光学イメージングシステムの開発は、容易なことではありません。そのプロセスには、多数の部品の複雑な設計、開発、特性評価が関係してきます。

さらに、最適な機能性を確保するためには、社内外の多分野にわたるチーム間のシームレスな連携が求められます。通常、画像性能の検証には、長期間にわたる高コストな製造、組み立て、テストサイクルが必要となります。そして、もし何かが期待通りに機能しない場合には、修正を繰り返すか、最悪の場合は最初からやり直す必要があります。

Traditional Development of Advanced Optical Imaging Systems | Synopsys

光学システム設計の複雑性

光学イメージングシステムの設計は、数多くの要素が関わり、本質的に複雑です。レンズ、センサー、画像信号処理パイプラインなど、各要素には精密な設計と調整が必要です。

さらに、さまざまなチーム間の広範な連携や設計検証の反復的な性質により、プロセスは複雑化します。従来のハードウェアプロトタイピングの手法は、時間がかかるだけなく費用もかさむため、迅速かつ確実なイノベーションの実現を困難なものにしています。

約10年前、モバイルカメラメーカーから、レンズとセンサーを一緒に設計する方法を知りたいという問い合わせが寄せられるようになりました。当社のエンジニアは、センサーとISPが提供できる性能に合わせてレンズを設計する必要性と可能性を認識しました。これにより、センサーとISPで対応できる仕事をレンズに求めすぎて、結果的に高価なレンズを作ってしまうことを避けることができました。さらに調査を進めると、システムレベルのツールにはさらに大きな可能性があることが分かりました。そうした事例が我々をImSymの開発に導きました。光学システム設計チームが早期に画質を評価できるよう支援し、まったく新しい市場を開拓するプラットフォームを提供したいと考えました。」

Blake Crowther

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ImSym Technical Product Management, Sr Director

ImSymワークフローについて

これらの課題に対応するため、光学エンジニアによるイメージングシステムの設計と検証の方法を大きく変える画期的なイメージングシステムシミュレーターImSymをご紹介したいと思います。ImSymを使用すれば、お客様のイメージングシステムをエンドツーエンドで物理的に正確な仮想プロトタイプを構築することができます。

ImSym Workflow | Synopsys

ImSymの主要機能

ImSymは、光学機器、センサー、画像処理パイプラインを含む光学システム全体をモデリングできる包括的なシミュレーション環境を提供します。このシステムレベルのアプローチにより、システムのパフォーマンスを統合的に把握でき、設計プロセスの早期に情報に基づいた意思決定を行うことができます。

ImSymの優れた機能のひとつに、予測分析機能があります。製造段階に移行する前にカメラシステムのパフォーマンスを完全にシミュレーションすることで、コストと時間がかかるハードウェアの反復作業を回避できます。この予測能力により、開発プロセスを合理化し、最終製品が期待通りの性能を発揮することを可能にします。

品質保証もまた、ImSymが効果的に対処する重要事項です。このソフトウェアは、画像形成プロセスの中で画質に影響を与える重要なステップを特定するのに役立ち、最も厳しい要件にも対応できます。このように品質に重点を置くことで、お客様の光学ソリューションが信頼性が高く、最高水準であることを実現します。

また、ImSymは高速プロトタイピングにも優れており、コンポーネントのテストや新しいコンセプトの検証を迅速に行うことができます。この機能により、物理的なハードウェアが不要となり、関連リスクを低減し、開発スケジュールを短縮することができます。

最後に、ImSymはシナリオテストを容易にし、さまざまなシナリオを実行して、設計段階の早期に潜在的な問題を特定し解決することができます。この先を見越したアプローチにより、問題が深刻な問題となる前に解決することができ、光学システムの堅牢性と信頼性を向上させることができます。

Scene vs. Simulated Image | Synopsys

光学技術者が注目すべき理由

ImSymの持つ能力は、光学エンジニアにとって非常に有益です。完全なシステムシミュレーションのための仮想環境を提供することで、ImSymは設計上の意思決定における推測の要素を排除します。エンジニアは、従来の反復作業の負担や複数の物理的プロトタイプの一般的な制約を伴うことなく、性能を予測し検証できる信頼性の高いツールを手にすることで、よりイノベーションに集中することができます。

ImSymの機能は、写真、モバイルデバイス、AR/VR、自動車、マシンビジョンなど、幅広いイメージングアプリケーションで活用できます。

ImSymがワークフローに与える革新とは、以下の通りです。

  • 先進性:ImSymは先進的な技術で、イメージングシステムのシミュレーションにおける新たな基準を打ち立てます。
  • 高い正確性:ImSymは、定評ある光学設計ツールであるCODE VおよびLightToolsによって適切な手順が実行され、高い正確性を実現します。これにより、設計上の意思決定に自信を持つことができます。
  • 製品化までの時間短縮:迅速なプロトタイピングとシナリオテストを可能にすることで、ImSymは開発の中で時間を要する過程について、数週間から数日、数時間から数分へと大幅に短縮します。
  • チームの連携強化:設計チームとパートナーを統一プラットフォームに集結させ、部門間のコミュニケーションと連携を改善します。

「私たちは、ImSymがイメージング設計プロセスにいかに役立つか、大きな期待を寄せています」と、Blake氏は語ります。「このソフトウェアは、設計したイメージングシステムが、所望の価格で必要な画質を実現できるという確信を、エンジニア、マネージャー、顧客に提供するように設計されています。ImSymは、イメージングシステムシミュレーションの新たな標準を確立することで、ワークフローに革命をもたらします。CODE VとLightToolsの精度の高さが裏付けとなっているため、設計における意思決定を信頼することができます。ImSymは、数週間を数日に、数時間を数分に短縮し、製品化までの時間を短縮します。さらに、統一プラットフォーム上で全員が共同作業を行うことで、コミュニケーションとチームワークを全体的に改善し、チームの連携を強化します。」

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