Optical and Photonic Solutions Blog~日本語版~

公開日:2024年6月21日

CODE V 2024.03は、光学系のモデリング、最適化、可視化をこれまで以上に効率的に行える新機能を搭載しました。

本記事では新機能や強化機能の概要を紹介します。


マルチ環境カップリング

特に航空宇宙用途に有益な、マルチ環境カップリング機能がCODE Vに追加されました。この機能は、様々な環境条件下でのスペーサーベースのレンズ設計の環境変化モデリングとアサーマル(耐熱)最適化を容易にします。この機能では、温度、圧力、マウントリンクの変化による屈折率とレンズパラメータの変化を考慮します。さらに、マルチ環境カップリングモデルをLightToolsにエクスポートして、追加解析を行うこともできます。

アサーマル化は、温度変化がレンズマウントに与える影響を考慮する光学設計において非常に重要です。CODE Vには、このプロセスを支援する新しい可視化ツールを3D描画(V3D)に搭載しました。このツールは、オプトメカニカルマウントの詳細な知識を必要とすることなく、ハウジングがレンズと接する際にどのように相互に作用するのかを解析することができます。

図1:詳細なオプトメカニカルマウントを必要とせず、ハウジングリンクを可視化

メタオプティックデザイン

CODE V2024.03は、メタレンズの設計機能も導入されています。光学技術のブレークスルーであるメタレンズ面は、従来のレンズを補強することができる薄く平らな面です。CODE Vでは、従来と同様の回折光学特性のモデリングプロセスを使用して、これらの複雑な表面を効率的に設計し、最適化することができます。エンジニアは、従来の光学系の設計と同時に、メタレンズのモデリングと最適化を行うことができます。なお、このツールはCODE Vの有償アドオンモジュールであり、シノプシスコモンライセンスのご利用が必要です。

図2:任意の像位置を持つ偏光ビームスプリッタの例。

CODE V MetaOptic Design機能は新しい光学設計機能を提供。

ワークフローと学習リソースの強化

CODE V 2024.03は、光学設計ワークフローの効率を改善し、学習リソースを拡張します。ハイライトは次のとおりです。

  • 画像シミュレーションの高速化。2次元像シミュレーション (IMS)機能により、設計者はレンズによって生成される画像をシミュレーション可能です。このリリースでは、IMSがアップグレードされ、特にマルチプロセッシングコアを使用するマシンでの計算速度が大幅に向上します。
  • 帝人のプラスチック材質の定義マクロの追加を含む、ガラスカタログの拡張。
  • サンプルモデルライブラリ。コンパクトな自由曲面反射システム、ピクセルヘッドランプ、性能ベースのコーティングなど、実用的な例を通してCODE Vの広範な設計および解析機能を参照・学習することができます。

図4:コンパクトな自由曲面反射システムを一例とした、新しいサンプルモデル

ソフトウェア間の相互連携の向上

CODE VからRSoft Photonic Design ToolsおよびLightToolsへのデータ転送が強化されました。これらの相互運用性の向上により、メタレンズ設計とマルチ環境カップリング解析のための、よりスムーズで統合されたワークフローがサポートされます。

図5:CODE V、LightTools、RSoft Photonic Device Tools間の相互連携が今回のリリースで強化。

入手方法

CODE V 2024.03は現在入手可能です。現在保守契約をご締結いただいているお客様は、SolvNetPlusアカウントを使用してシノプシスのWebサイトから本バージョンをダウンロードください。

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