チップ内部の状況をリアルタイムで把握することにより、主要マーケットのアプリケーションに向けたチップのシリコン・ライフサイクルを通じて、最適な稼働状況を実現
概要
2021年5月27日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、TSMC社が業界をリードする3Nプロセス・テクノロジ向けのDesignWare® PVTモニタリング/センシング・サブシステムIPの提供開始を発表した。このPVTモニタリング/センシング・サブシステムIPはTSMC社のライブラリ/IP品質管理プログラム TSMC9000 Programに加えられており、AI、データセンター、HPC、コンシューマ、5Gをはじめとする多岐にわたるアプリケーション向けチップ開発で、性能面の高度な競争力優位性を実現できる。TSMC社の最先端プロセスを用いたSoCの設計者は、チップ内にPVTモニタリング/センシング・サブシステム技術を深く組み込み、製造工程中に主要なチップ・パラメータを取得したり、シリコン・ライフサイクルのあらゆる段階でチップ稼働状況をダイナミックかつリアルタイムに測定/分析することが可能となる。
シノプシスが昨年11月に買収したMoortec社のインチップ・センシング・テクノロジは、今日の最先端プロセス・テクノロジで最高水準の性能と信頼性を確保するために不可欠な技術要素であり、チップに対する遠隔診断/解析手法ならびに最適化スキームを提供している。サブシステムを構築するIPは、シノプシスのSilicon Lifecycle Management (SLM)プラットフォームの基本要素である。このSLMは、チップ内の奥深くにインチップ・センサーやPVTモニターを埋め込むことで処理を実行する。収集されたデータから、チップ内の動作性能や消費電力の状況をより深く把握でき、SLMプラットフォームの解析エンジンによって、チップの設計初期段階から実際に使用されている段階に至るまでの半導体ライフサイクルの各段階で、より詳細かつ正確なチップ最適化を実行できるようになる。
TSMC社 デザイン・インフラストラクチャ・マネージメント 副社長 Suk Lee氏は次のように語っている。「当社は、お客様各社が、直面している性能や消費電力の課題に対処し、当社の最新プロセス・テクノロジ向けの設計ソリューションによって次世代のシリコン・イノベーションを実現できるよう、エコシステム・パートナーとの協業を継続しています。シノプシス社の新しいDesignWare PVTモニタリングIPは、当社とシノプシス社の間で継続しているコラボレーションからもたらされる価値を証明するものです。これにより、TSMC N3プロセス・テクノロジが提供する性能/消費電力のメリットを活かしたお客様各社の製品をサポートしづづけていくことが可能となりました」
革新的なモジュール機構で提供されているDesignWare PVTサブシステムは、PVTモニターの基礎構造となるものであり、ターゲットのアプリケーションに合わせて高度にコンフィギュレーションできる。TSMC 3Nプロセス・テクノロジ向けのこの最新IPソリューションは、分散型の熱センサーを提供しており、高度な局所的熱解析、熱暴走からチップを守るための壊滅的欠陥の検出、チップがパワーオフの状況であってもダイ温度を自律的に測定する熱ダイオードの追加、などが可能となる。システム全体は、第四世代のPVTコントローラによって制御され、個々の組込みモニターやセンサーのインスタンス化によってもたらされる各種データへの容易なアクセスを実現する。
シノプシス Hardware Analytics and Test Group副社長 Amit Sanghaniは次のように述べている。「デザインの複雑化やデバイスのゲート密度は増加の一途を辿っており、今やPVTモニタリング機能の採用は、最先端プロセス・ノードのチップ設計の成功には欠かせないものとなっています。シノプシスが提供している革新的な新ソリューション Silicon Lifecycle Management Platformの一部であるDesignWare組込みPVTモニター/センサーは、設計業界に、イノベーティブなインチップ・センシング・テクノロジ、チップ内部の詳細かつリアルタイムな観測機能、シリコン・ライフサイクルを通じた製品活用の手段をご提供いたします」
DesignWare PVTモニタリング/センシング・サブシステムは、個別のアプリケーション・セクターに合わせてコンフィギュレーションして提供される。早期適用企業各社に向け、既に提供を開始している。詳細は、下記より入手可能。
https://www.synopsys.com/dw/ipdir.php?ds=dwc_in_chip_pvt_monitoring_sensing
DesignWare IPについて
シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、PVTセンサー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。
詳細情報はhttps://www.synopsys.com/designwareより入手可能。
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
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