ニュースリリース - 2020年1月7日

シノプシス、低消費電力が求められるオーディオ/音声アプリケーション向けにBluetooth LE Audioコーデックを業界に先駆けて一般提供開始

シノプシスのARCプロセッサ向けに最適化された新しい低消費電力コーデックにより、スマートホーム/モバイル/ウェアラブル・デバイスで高品質なオーディオ/音声ストリーミングが実現

 

概要

  • Fraunhofer Institute for Integrated Circuits(IIS)との協業を通じ、次世代のBluetooth LE Audio Low Complexity Communication Codec(LC3)の実装を実現、提供を開始

  • 近く公開予定のBluetooth LC3オーディオ・コーデック仕様に準拠、ARC EM DSPならびにHS DSPプロセッサを組み込んだバッテリー駆動デバイスで高品質なオーディオ/音声再生を実現するための最適化が施された最新のコーデック

  • 新しいLC3コーデックにより、各種オーディオ仕様に準拠したDesignWare® ARC®オーディオ・コーデックならびにポスト・プロセッシング・ソフトウェア・ソリューションを拡充、DesignWare Bluetooth Low Energy IPの機能を拡張

 

2020年1月7日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、Bluetooth LE Audio LC3 Codec optimized for Synopsys’ DesignWare ARC EM DSP and HS DSP processor IPの一般提供開始を発表した。このLC3コーデックは、Bluetooth Special Interest Group(SIG)が策定した近々公開予定の次世代オーディオ規格であるBluetooth LE Audioの機能を実装したものであり、これによりSoC設計者は、ホームオートメーション/モバイル/ウェアラブルを始めとする多岐にわたるアプリケーションに対して、高品質なオーディオ/音声ストリーミング機能を迅速に実装することが可能となった。ARCプロセッサ向けLC3コーデックには、Bluetooth SIG策定の仕様に基づいてFraunhofer IIS社が実装した機能が組み込まれている。ARC EM DSPならびにHS DSPプロセッサ上で稼働するLC3コーデックを使用することにより、設計者は、音声/言語処理のための完全かつ事前検証済みのハードウェアならびにソフトウェア機能を、最小限の消費電力での駆動が求められるBluetoothデバイスに迅速に組み込むことが可能となった。

 

Fraunhofer IIS社 Audio for Communications責任者 Manfred Lutzky氏は次のように語っている。「高品質なオーディオ・ストリーミング機能を実装したウェアラブル・デバイスのニーズは急速に高まってきており、オーディオ/音声アプリケーションで求められる高度なコンピューティング能力を提供できる低消費電力なDSP搭載プロセッサIPの必要性も増大しています。こうしたアプリケーションでは、コンピューティング・プロセスの複雑化を可能な限り抑えつつ最先端のオーディオ/音声品質を実現できるよう最適化されたコーデックが必要となります。このLC3コーデックは、まさにそのために開発されました。このLC3コーデックをDSP機能搭載のARCプロセッサに組み込むことにより、シノプシス社のユーザーは、開発中の低消費電力SoCにLC3コーデック機能を短時間で実装できるようになりました。当社は、今後もシノプシス社との協業を継続し、ARCプロセッサ向けLC3コーデックに最新の機能アップデートを実装してまいります」

 

Bluetooth SIG CEO Mark Powell氏は次のように語っている。「このLC3コーデックは、低ビットレートで非常に高品質なオーディオ機能を提供できます。これは、間もなく公開予定のLEオーディオ規格の中核をなす技術です。当SIGのメンバー企業各社が、さまざまなプロセッサ・アーキテクチャ向けにLC3コーデックの実装を最適化すべく協業されているのは誠に喜ばしい限りです」

 

32ビットDesignWare ARC EM DSPならびにHS DSPプロセッサは、拡張性の高いARCv2DSP命令セット・アーキテクチャをベースにしており、RISCならびにDSP機能を組み込むことによりプロセッシング・アーキテクチャの柔軟性を高めている。ARC EM DSPは、超低消費電力かつ業界最高水準の処理効率で動作する。またマルチコアのARC HS DSPプロセッサは、高性能な制御機能と高効率なデジタル信号処理機能の独自の組み合わせを提供している。また豊富なDSPファンクション・ライブラリを提供するARC MetaWare Development Toolkitが全てのARCプロセッサをサポートしているため、ソフトウェア開発者は、一般的なDSPビルディング・ブロックのアルゴリズムを短期間で実装することができる。また、シノプシスのBluetooth 5.1-compliant DesignWare Bluetooth Low Energy IPでARCプロセッサとLC3コーデックを統合することにより、スマートIoTや各種のBluetoothデバイス向けに、低消費電力で高品質なワイヤレス・オーディオ機能を提供できる。

 

シノプシス IPマーケティング担当上級副社長 John Koeterは次のように述べている。「今回のARCプロセッサへのLC3コーデックの最適化は、さまざまなSoCデザインをサポートできる強力なオーディオ・コーデック・ポートフォリオを提供していくために当社が継続している開発投資の一環です。ARCプロセッサ向けLC3コーデックは、高品質なオーディオ・ストリーミングで優れた音質を実現すべく開発されていますので、開発者の皆様は、Bluetoothストリーミング・アプリケーションで上質なオーディオ性能を確かなものにするために必要な機能統合作業やテストにかかる時間を削減できる認証済みのコーデック機能を手にすることができます」

 

提供可能時期ならびに関連情報

Bluetooth LC3コーデックは、DSP搭載のARC EMxDならびにHS4xDとともに既に提供を開始している。

主要顧客向けに2020年の第一4半期の提供開始を予定している。

DesignWare ARC VPX5FSプロセッサは、主要顧客向けに2020年の第二4半期の提供開始を予定している。

 

DesignWare IPについて

シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。

詳細情報はhttps://www.synopsys.com/ja-jp/designware-ip.html より入手可能。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

 

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<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941