設計ツールならびにフローの認証により、車載向け半導体コンポーネントならびにシステム開発企業各社による車載システム開発を支援するNo.1 EDAプロバイダとしての地位を強化
概要
Fusion TechnologyTMを搭載したシノプシスのデザイン・プラットフォームによるフル設計フローが、機能安全規格準拠性認証で世界的に著名なexida社によりISO 26262準拠を認証される
類まれなツール・コンビネーションとフル設計フローの規格準拠性認証により、ASIL A~ASIL D基準の車載システム開発にISO 26262準拠設計ツールを適用可能に
認証対象に含まれるのは、カスタム設計、アナログ・ミックスドシグナル設計、デジタル・インプリメンテーション、サインオフ、ライブラリ開発に用いられる40ツール
ダウンロード可能な機能安全キットも提供
2018年3月20日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 –シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、シノプシスFusion Technologyを搭載したシノプシス・デザイン・プラットフォームの全てのツール群が、ISO 26262準拠性の認証を個別に獲得したことを発表した。この認証により、車載向け半導体コンポーネントならびにシステム開発企業各社では、先進の自動車に求められる最も厳格な機能安全要件を満たした開発が可能となる。ISO 26262準拠性の審査は、米国国家規格協会(ANSI:American National Standards Institute)より正式認可を受けた自動車ならびに各種業界向け機能安全認証機関であるexida社によって実施された。今回の認証により、ASIL A~ASIL D基準の車載システム開発にシノプシスの各種設計ツールならびにフル設計フローを適用可能となった。シノプシス設計フローは、ISO 26262:2011規格ならびにISO 26262:2018規格2nd Editionドラフトが要求する厳格な基準に合致した業界初のフローである。
ルネサス エレクトロニクス株式会社 ブロードベースドソリューション事業本部 共通技術開発第二統括 部 デジタル設計技術部 部長 岡部秀之氏は、次のように語っている。「当社では、使用する設計フローを構成する全てのツールがISO 26262に準拠しているかどうかの評価を長年にわたり継続してきました。今回シノプシス社のデザイン・プラットフォームがISO 26262準拠の認証を獲得されたことは、ADASならびに自動運転システムに向けて当社が現在そして今後開発していく機能安全対応が必要なデザインにとって喜ばしいことです」
フル設計フロー認証は、既にISO 26262準拠性認証を個別に獲得している全ツール群を補完するものとなる。カスタム設計、アナログ・ミックスドシグナル設計、デジタル・インプリメンテーション、サインオフ、ライブラリ開発に用いられる40ものツールの認証はこれまでに例が無く、EDAツールのISO 26262認証実績としては最も包括的かつ多種にわたる規模となる。ISO 26262は、機能安全が確保された車載SoCの開発プロセスで実施されなけばならない要件を定義しており、ソフトウェア・ツールの評価や個別ツール認証も義務付けられている。こうした認証プロセスを経て、シノプシスは、ツールの使用にあたっての条件や前提、想定外の結果を出す可能性を記載した業界で最も徹底した個別ツール向け機能安全マニュアルなどからなる機能安全キット(ダウンロード可能)も提供する。これにより、ツールの採用と開発製品の認証取得が加速することとなる。
exida社 上席セーフティ・エキスパート兼マネージャー Alexander Griessing氏は、次のように語っている。「当社は、シノプシス社の協力を得て、同社のEDAツールならびにツール・チェーンがISO 26262の目的ならびに規格に準拠しているかどうかの審査を進めてまいりました。その結果、同社のツール・チェーンを構成する全てのツールがTool Confidence Level of TCL1を満たしていること、それらのツールならびにツール・チェーンがASIL Aから最も厳格なASIL D基準の車載半導体製品の開発に使用できることを認証いたしました。シノプシス社は、ツールが想定外の結果を出す可能性について詳細に渡って解析し、その防止手段や検出方法を定義しました。同社が提供する機能安全マニュアルには、こうした内容がまとめられており、同社ツール・ユーザーに明確かつ現実的なガイダンスを提供しています」
Phison Electronics社 社長 Aw Yong Chee Kong氏は、次のように語っている。「当社では、シノプシス社のISO 26262認証済みテスト・プラットフォームを適用し、テスト・カバレッジとコンポーネント製造において目覚しい改善が得られたことを確認しました。シノプシス・デザイン・プラットフォームのツール群と設計フローの認証により、当社の車載システム設計フローがISO 26262規格に完全準拠していることに確信が持てるようになりました」
シノプシス デザイングループ マーケティング&ビジネスディベロップメント担当コーポレート・バイス・プレジデント Michael Jacksonは、次のように述べている。「当社は、車載SoC開発の分野におけるビスネス/テクノロジ・リーダーとしての地位を確立しています。個別認証済みのツール群で構成したフル設計フローの認証取得により、車載システム開発に取り組んでおられる既存ならびに新規のお客様各社では、Fusion Technologyを搭載したシノプシス・デザイン・プラットフォームを安心してお使いいただき、今後の車載スーパーチップの開発に取り組んでいただけるようになります」
提供可能時期
今回認証された3つの設計フローは、RTLからサインオフをカバーするデジタル設計フロー、カスタム/アナログ・ミックスドシグナル設計フロー、ライブラリ開発フローである。これらのフローのISO 26262準拠性認証の詳細は、準備が整い次第http://www.exida.com/SAELより参照可能。認証済みのデジタルならびにカスタム/アナログ・ミックスドシグナル設計ツール・チェーンの機能安全キットは既に提供を開始しており、シノプシスのSolvnet®サイト経由でダウンロード可能。、ライブラリ開発ツール・チェーンの機能安全キットは、2018年第二4半期早々の提供開始を予定している。また、2018年3月21~22日にカリフォルニア州サンタクララ・コンベンションセンターで開催されるSynopsys Users Group(SNUG®)Silicon Valleyのセッション“ISO 26262: What's Required for Safety-Critical Semiconductor Designs?”でも、今回の認証の詳細は紹介される。
Fusion Technologyについて
シノプシスのFusion Technologyは、RTLからGDSIIまでをサポートする設計フローの概念を書き換えるブレイクスルーとなる新技術であり、業界最高水準の最適化テクノロジと業界標準となっているサインオフ・テクノロジを融合させているため、設計者は、設計フローで一貫した最高水準の結果品質を確保しつつ開発対象の次世代デザインの開発期間を短縮することができる。Fusion Technologyにより、デジタルSoCを支える業界最先端の設計ツールの基幹エンジンや、論理/物理デザインを表現するためのシノプシス独自の個別データモデルの共有が可能となり、従来型の設計フローの壁となっている論理合成、配置配線、サインオフの境界線を乗り越えることが可能となる。シノプシス・デザイン・プラットフォームを構成する配置配線ツール IC Compiler™ II、論理合成ツール Design Compiler® Graphical、スタティックタイミング・サインオフ・ツール PrimeTime®、RC 抽出サインオフ・ツール StarRC™、フィジカル検証サインオフ・ツール IC Validator、テスト圧縮ツール DFTMAX™、テストパターン自動生成ツール TetraMAX® II、テスタビリティ解析ツール SpyGlass® DFT ADV RTL、機能等価性検証ツール Formality®等の各種ツールを貫く背骨あるいは共通のDNAとなる新技術が、Fusion Technologyである。Design Fusion、ECO Fusion、Signoff Fusion、Test Fusionの4つのテクノロジにより、最も設計結果予見性の高いRTL to GDSII設計フローを実現し、設計のやり直しを最小限に抑えて他に類を見ない高性能/低消費電力/小面積を達成することができる。
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
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