シノプシスのDesignWare ARC EV6xビジョン・プロセッサIPとKudanのSLAMソフトウェアの組み合わせによりAI、車載システム、IoT向けの高効率かつ高精度なマシン・ビジョン機能を提供
概要
シノプシスのエンベデッド・ビジョン・プロセッサ DesignWare® ARC® EV6xに最適化されたKudanSLAMのソフトウェア・アルゴリズムにより、AI、車載システム、IoT向けの高効率かつ高精度なコンピューター・ビジョン機能を提供
最大4つの512ビット・ベクターDSPと、完全にプログラマブルなCNNエンジンを搭載したDesignWare ARC EV6xが、幅広い高性能エンベデッド・ビジョン・アプリケーション向けに最速の処理性能を提供
KudanSLAMのソフトウェア・アルゴリズムが、高速/低消費電力/高精度な自己位置と地図の同時推定を実行
2019年5月20日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)とKudan株式会社(東京証券取引所マザーズ証券コード:4425、以下Kudan)は本日、KudanのSLAMソフトウェア・アルゴリズムをシノプシスのDesignWare ARC EV6x Embedded Vision Processor IP向けに最適化するための協業について発表した。Kudanは、自己位置と地図の同時推定(SLAM:simultaneous localization and mapping)ソフトウェア・アルゴリズムのリーディング・カンパニーである。KudanSLAMのソフトウェア・アルゴリズムは、カメラ画像(入力)からデバイスの自己位置認識と周囲の地図作成を同時に実行する。SLAMは、自動運転車、ドローン、ロボット、拡張現実(AR)などのアプリケーションに組み込まれて、デバイスの自己位置認識と地図作成を同時に実行する技術である。
Kudanは、最大4つの512ビット・ベクターDSPと完全にプログラマブルな畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)エンジンを搭載できるシノプシスのエンベデッド・ビジョン・プロセッサ DesignWare ARC EV6xの拡張性の高いハードウェア・アーキテクチャを最大限活用して、アルゴリズムを低負荷で高速実行できるよう最適化を施す。このハードウェア・ソリューションとソフトウェア・ソリューションの組み合わせにより、開発者は、LiDAR/TOF(Time of Flight)カメラ/慣性計測装置(IMU:inertial measurement unit)や移動距離データからの入力を用いて自己位置の推定と地図作成を行うSLAMタスクを高速化でき、他の手法と比べて消費電力と使用メモリーを大幅に削減することができる。
Kudan株式会社 代表取締役 大野智弘は次のように語っている。「コンピューター・ビジョン・デバイスの性能と精度を高めることができるソリューションは、マスマーケット向けのSLAMベース製品開発の基盤となる技術です。ARC EV6xプロセッサとKudanSLAMの組み合わせにより、マーケットに向けて最高の性能と消費電力効率をご提供し、ADAS、ロボティクス、拡張現実/仮想現実(AR/VR)などの製品開発者には革新的な製品開発を可能にするソフトウェア・インフラをご提供します」
完全にプログラマブルでコンフィギュラブルなDesignWare ARC EV6xは、エンベデッド・ビジョン・アプリケーション向けに最適化されたプロセッサIPコアであり、ソフトウェア・ソリューションならではの柔軟性と、低コスト/低消費電力なハードウェア・ソリューションを兼ね備えている。エンベデッド・ビジョン標準のOpenCV、OpenVX™、OpenCL™ Cベースの包括的なソフトウェア開発環境であるDesignWare ARC MetaWare EV Development Toolkitも、ARC EV6xをサポートしている。
シノプシス IPマーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「コンピューター・ビジョン・アプリケーションにとって、高性能/低消費電力/高精度は非常に重要な要素です。当社のエンベデッド・ビジョン・プロセッサ ARC EV6x向けにKudan社のソフトウェアを最適化するための協業を通じて、開発者の皆様に、非常に処理効率が高く、かつ高精度なハードウェア/ソフトウェア・ソリューションをご提供し、SLAM機能を実装したSoCの開発期間短縮を支援してまいります」
提供可能時期
DesignWare ARC EV6x Embedded Vision Processor IPは既に提供を開始している。EV6x向けに最適化したKudanSLAMソフトウェアは、2019年下半期の提供開始を予定している。
Kudan株式会社について
Kudan株式会社(東京証券取引所マザーズ証券コード:4425)は、破壊的な技術を生み出だすDeep Techイノベーションのリーディング・カンパニーであり、組込み機器向けに多用途の自己位置/地図・同時推定(SLAM:simultaneous localization and mapping)アルゴリズムならびに人工知覚(AP:Artificial Perception)アルゴリズムを開発している。これらは、機械の「脳」であるAIを補完する機械の「眼」の役割を果たす。自社のIPに加えて、Deep Techに特化したテクノロジの完成度を判断する独自のマイルストーン・アプローチを基に、APとAIやIoTを融合する技術の開発を行っている。多様な技術分野をカバーし、具体的なエンジニアリング・イノベーションで多岐にわたるアプリケーションの実現に寄与している。
詳細情報は、https://www.kudan.io/より入手可能。
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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