ニュースリリース - 2021年4月21日

シノプシス、最先端プロセス・ノードの活用を促進する ライブラリ・キャラクタライゼーションならびにバリデーション統合ソリューション PrimeLibの提供を開始

ゴールデン・サインオフ精度とクラウド上でのパフォーマンス10倍向上により開発期間を短縮しハードウェア・コストを削減

 

概要

  • 回路シミュレーション・ソリューションPrimeSimTM、スタティックタイミング・サインオフ・ソリューション PrimeTime®、マルチPVT対応のSmartScalingテクノロジを統合したソリューションにより、高品質なライブラリ生成を実現し、設計収束にかかる期間を短縮
  • PrimeLibのMLならびに最先端バリエーション・モデリング・テクノロジにより、ライブラリ・キャラクタライゼーションのスピードが4倍高速化、開発期間を数か月単位から数週間単位に短縮
  • コンピューティング・リソース最適化テクノロジにより、5G、AI、高性能コンピューティング、車載システム、航空宇宙などのアプリケーションで必要となる最先端プロセス・ノードでの開発に、クラウド上で数十万ものプロセッサ・コアを活用可能

 

2021年4月21日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、インターナショナル・ユーザー・コンファレンスのSNUG® World会場にて、最先端プロセス・ノードを用いたSoCデザイン向けのサインオフ品質ライブラリを生成する高性能かつ包括的なキャラクタライゼーション/バリデーション・ソリューション PrimeLibの提供を開始したことを発表した。PrimeLibは、シノプシスのデザイン解析/サインオフ・ソリューション・ポートフォリオを構成するライブラリ・キャラクタライゼーション・ソリューションである。マルチ・プロセス/電圧/温度(PVT)対応、最先端マシンラーニング(ML)テクノロジ活用、各種バリデーション・テクノロジの統合を実現するSmartScalingテクノロジにより、ゴールデン・サインオフ品質のライブラリの高精度なバリデーションを、これまでの4倍のスピードで実行できる。

 

Arm社 Physical Design Group Design Enablement担当副社長 Philippe Moyer氏は次のように語っている。「最先端プロセス・ノードの進展に伴い、ライブラリ・キャラクタライゼーションの工数は大幅に増加し続けており、これまで以上に多くのプロセス・コーナーへの対応や、各種バリエーション、経年劣化防止、信頼性確保のための新しいモデリングが必要となっています。当社はシノプシス社との協業を通じ、ArmベースのAWS Graviton 2プロセッサとPrimeLibの組み合わせにより、大規模なコンピューティング・リソースを活用した開発を可能にしました。これにより、ライブラリ・キャラクタライゼーション・スピードが直線的に向上するコスト効率の高い開発プロセスが実現し、キャラクタライゼーションにかかる期間を数週間単位から数日単位に短縮できます」

 

設計企業やファウンダリでは、製品の市場投入までにかかる期間に直結するSoCビルディング・ブロックのためのライブラリの品質に大きく依存している。チップ設計者にとって、最先端プロセス・ノードに向けたサインオフ品質ライブラリをタイムリーに用意する作業は、開発ボトルネックになりがちな工程であり、プロジェクト・スケジュールの遅延を引き起こしかねない。ライブラリ・キャラクタライゼーションは、最先端プロセス・ノードが登場するたびに数か月を要することも珍しくない。PVTコーナーの3倍増加、バリエーション・モデリング、経年劣化や信頼性の解析などの課題が山積するためである。PrimeLibを活用することにより、クラウド上あるいはコンピューティング・クラスター上で10万を超すジョブを並行して流すことができ、実行時間を1/10に短縮できる高度な実行拡張性を活用できる。

 

AWS社 Amazon EC2副社長 Dave Brown氏は次のように語っている。「半導体各社では新製品を世に送り出すための技術革新を常に行っており、EDAツールを実行するコンピューティング性能への要求は高まる一方で、コンピューティング・リソースの拡張性や所有コストは大きな問題となっています。当社はシノプシス社と緊密な協業を展開しており、お客様各社がAWS環境上でEDAツールの実行負荷を大幅に削減できるイノベーションをご提供しています。両社の協力により、お客様各社ではライブラリ・キャラクタライゼーションの負荷をAWS環境上での12万超のジョブの並列実行に分散することが可能となりました。シノプシス社の次世代ライブラリ・キャラクタライゼーション・ソリューション PrimeLibをご使用のお客様は、AWSがご提供するコンピューティング環境を活用して、高次元のパフォーマンスを達成することが可能となりました」

 

PrimeLibには、シノプシス PrimeSimのSPICEエンジンやサインオフ・バリデーション機能が組み込まれており、PrimeTimeのゴールデン・サインオフ品質に適合したライブラリを開発することができる。PrimeLibが提供する主要なテクノロジ・イノベーションは下記の通りである。

 

  • 最先端のMLアルゴリズムとその適応フローにより、超低電圧コーナーの高精度な統計的バリエーション・モデルを、これまでより5倍高速に生成でき、コンピューティング・コストも削減できる。
  • マルチPVTキャラクタライゼーションを可能にする革新的なSmartScalingテクノロジとPrimeTimeのスケーリング・エンジンにより、最小限のコーナー・キャラクタライズで瞬時のライブラリ生成を実現できる。
  • 経年劣化のキャラクタライゼーションならびに解析によって、AIや車載システムで必要になる信頼性モデルの生成が可能となる。
  • クラウドを用いたコンピューティング・リソース拡張テクノロジにより、ハードウェア・コストを最小化し、設計環境の移行を短期間で実施でき、リソース活用と信頼性確保を実現できるため、ビジネス効率全体が向上する。

 

シノプシス デジタル・デザイン・グループ ジェネラルマネージャー Shankar Krishnamoorthyは次のように述べている。「当社は、最新の設計課題に対処できる高品質かつ拡張性の高いソリューションを実現するため、イノベーションとコラボレーションの最前線で取り組んでいます。ライブラリ・キャラクタライゼーション/バリデーション・ソリューション PrimeLibは、他社にはない各種テクノロジを統合し、新しい次元のパフォーマンス、開発効率を実現し、実チップ製造に向けた最速パスをご提供します」

 

提供可能時期ならびに参考情報

PrimeLibは、既に提供を開始している。詳細な情報は下記より入手可能。

https://www.synopsys.com/implementation-and-signoff/signoff/primelib.html

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

# # #

 

Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標または商標です。

その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

 

<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940