Microsoft Azure OpenAI Serviceを統合した戦略的協業を通じ半導体開発プロセスに生成AIパワーを提供
2023年11月15日 カリフォルニア州サニーベール発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、チップ設計を加速する画期的な生成AI(GenAI:generative artificial intelligence)機能を備えたSynopsys.ai Copilotを発表した。この新ソリューションはMicrosoft社との戦略的協業の成果であり、最も複雑なエンジニアリング課題の1つである半導体設計プロセスにMicrosoft Azure OpenAI Serviceを統合することにより、生成AIパワーを活用可能となった。
シノプシスは、半導体の電子設計自動化(EDA)ソリューションのリーダーであり、業界初のAIベースEDAスイートであるSynopsys.ai™を提供している。Azure OpenAI Serviceは、Microsoft Azureが企業向けに提供する機能で、これにより顧客企業はOpenAIの大規模言語モデル(LLM:large language models)を活用できる。
両社は、シノプシスのSynopsys.ai Copilotの開発で協業し、Azure OpenAI Serviceの生成AI機能とシノプシスが業界をリードするチップ設計ツールおよびIPを組み合わせることで、半導体開発チームが製品の市場投入までにかかる期間を短縮し、会話型インテリジェンスの力でシステムの複雑性に対処できるよう支援する。
シノプシス EDAグループ ジェネラルマネージャー Shankar Krishnamoorthyは次のように述べている。「半導体業界は、より高性能で電力効率の高い、最適化されたコンピューティング能力を持つチップ開発を競っていますが、それは同時に開発の複雑さが増加することを意味しています。一方で、チップ設計エンジニアの労働力は2030年までに15%から30%不足すると予測されています。AIを活用した設計は、こうした課題の解決に有効です。シノプシスは、フルスタックEDAスイート Synopsys.aiでAIベース設計ソリューションのパイオニアとなりました。そして今、マイクロソフト社との協業を通じ、Synopsys.ai Copilotが提供する会話型インテリジェンスなどの生成AI機能により、AIベース設計の能力を次のレベルに引き上げようとしています」
本日の発表は、両社が共有するイノベーション・ビジョンに基づくものである。シノプシスは、2022年にMicrosoft Azureを採用した業界初のSaaS EDAソリューションを発表している。
Microsoft社 コーポレート・バイスプレジデント Corey Sanders氏は次のように語っている。「シノプシス社との協業の歴史は、クラウドとAIを通じて半導体のイノベーションを加速するという共通のビジョンの上に築かれています。当社のエンジニアリング・チームはシノプシス社と緊密に連携し、これまでの手法に大きな転換をもたらす生成AIパワーをEDAに組み込みました。これにより、Synopsys.ai Copilotを使用する半導体設計エンジニアは、Microsoft Azure上に構築された最高のAIインフラストラクチャ、言語モデル、ツールチェーンを活用できるようになります」
今回の協業がもたらす主要な成果は下記の通り。
Synopsys.ai Copilotは、設計者が日常的に使用しているシノプシスのツール上で設計者と共同作業し、自然言語による会話型インテリジェンスを設計チーム全体で活用可能にする。Synopsys.ai Copilotは、シノプシスが計画している生成AI応用ソリューションの第一弾であり、新しいスキルを学習し、チームのニーズに応じて成長するように設計されている。これにより、システム・アーキテクチャの検討から設計、製造に至るまで、チップ開発のすべての段階において、チップメーカーの生産性を向上させ、設計目標の達成を容易にする。
シノプシスのSynopsys.ai Copilotは、Microsoft Azureのオンデマンド型・高性能コンピューティング環境を活用できるため、高度なチップ設計/検証アプリケーション向けのAIワークロードを処理するための可用性/価格/キャパシティを提供する。オンプレミスでもクラウド上でも使用可能である。
この協力関係の根底にあるのは、安全で高度な信頼性を持つAIシステムの構築に焦点を当てることである。このフレームワークは、AIテクノロジの応用の安全を確保して、半導体による新しいアプリケーション開発に役立てることに主眼を置いている。
AIを応用した設計ソリューションを高性能なコンピューティング環境上でスケーラブルに利用することで、半導体開発チームのイノベーションをより迅速かつ効率的に進めるという点において大きな進化がもたらされる。Synopsys.ai Copilotは、早期適用顧客向けに既に提供を開始している。詳細は下記より入手可能。
https://www.synopsys.com/ai/ai-powered-eda.html
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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