車載システム、コンシューマ機器、データセンター向けチップで最大3,500 TOPSの性能を実現するDesignWare ARC NPX6 NPU IP
概要
2022年4月19日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – AI処理向けSoCの高性能化の要求に応えるため、シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、業界最速の動作性能を実現し、最も複雑な最新のニューラル・ネットワーク・モデルをサポートした新しいニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)IPの提供開始を発表した。DesignWare ARC NPX6ならびにNPX6FS NPU IPは、AIアプリケーションで必要とされる超低消費電力でのリアルタイム・コンピューティングを実現した新しいプロセッサIPである。また新しいDesignWare ARC MetaWare MX Development Toolkitは、包括的なコンパイル環境と、コンピューティング・リソース使用効率を最大化するニューラル・ネットワーク・アルゴリズム自動パーティショニング機能を提供し、ARC NPX6 NPU IP向けアプリケーション・ソフトウェアの開発期間を短縮する。
Inuitive社のCTOであり、最先端ロボティクス/ドローン/拡張現実ならびに仮想現実(ARならびにVR)デバイス/その他のAIエッジ・アプリケーションやエンベッデッド・ビジョン・アプリケーション向けの高性能な3Dならびにビジョン・プロセッサの開発者でもあるDor Zepeniuk氏は次のように語っている。「当社のNU4000マルチコアSoCにシノプシス社のDesignWare ARC EV Processor IPをシームレスに組み込むことができた成功体験から、最先端のニューラル・ネットワーク・モデル実行時のAI処理機能と消費電力効率を更に高めるために、同社の新しいARC NPX6 NPU IPの採用を決めました。ARC MetaWareツールは非常に使い易く、このプロセッサのハードウェア・リソースを最大限活用することが可能となり、最終的に性能目標と開発期間目標の達成を可能にしてくれました」
リアルタイム応答性能とニューラル・プロセッサの拡張性
複雑なニューラル・ネットワーク・モデルを組み込んだ、最先端の先進運転支援システム(ADAS)、監視システム、デジタルTV、カメラ、その他の急成長AIアプリケーションでは、これまで以上に多くのコンピューティング・リソースとメモリー・リソースが必要とされる。セーフティー・クリティカルなアプリケーションでは特にそうである。こうした様々なアプリケーションのニーズに応えるため、ARC NPX6 NPU IPは以下のような機能を提供している。
ARC NPX6FS NPU IPは、ハードウェアのランダム故障を厳格に防止しなければならないという要求と、機能安全確保のためのシステマティックな開発フローに対応しており、ISO 26262 ASIL Dまでの認証をサポートする。このプロセッサには、機能安全にかかわる包括的なドキュメントも付随しており、ISO 26262準拠のための専用のセーフティー・メカニズムを搭載し、次世代のゾーン・アーキテクチャのミックスト・クリティカリティ・システムや仮想化の要求にも対応している。
包括的なソフトウェア開発環境
ARC MetaWare MX Toolkitは、コンパイラ、デバッガ、ニューラル・ネットワーク・ソフトウェア開発キット(SDK)、仮想プラットフォームSDK、ランタイムやライブラリ、先進のシミュレーション・モデルを提供している。また単一ツールチェーン内で、アプリケーション・ソフトウェア開発と、処理効率向上のためのMACリソース間でのアルゴリズム自動分割にかかる期間を短縮する。MetaWare MX Toolkit for Safetyは、セーフティー・クリティカルな車載アプリケーション向けにセーフティー・マニュアルならびにセーフティー・ガイドも提供しており、開発者のISO 26262要件達成とコンプライアンス・テストに向けた準備を支援する。
シノプシス ソリューション・グループ マーケティング&ストラテジ担当上級副社長 John Koeterは次のように述べている。「画像イメージの精細化、監視カメラ・システム、アルゴリズムの複雑化などにより、AI処理には非常に高いTOPS性能が求められるようになっています。DesignWare ARC NPX6ならびにNPX6FS NPU IPそして MetaWare MX Development Toolkitsをご活用いただくことにより、開発者の皆様は、最新のニューラル・ネットワーク・モデルを最大限に活用し、高度化する性能要求を達成し、次世代のインテリジェントSoCを市場に投入するまでにかかる期間を短縮することが可能となります」
シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、ロジック・ライブラリ、組込みメモリー、PVTセンサー、組込みテスト、アナログIP、有線・無線通信向けインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、セキュリティIP、組込みプロセッサ・コアとそのサブシステムで構成されている。IPに関連するソフトウェア開発とハードウェア/ソフトウェア統合を容易にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IP向けソフトウェアの開発キット、IPサブシステムを提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。
詳細情報はhttps://www.synopsys.com/designwareより入手可能。
提供開始時期
シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
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