ニュースリリース - 2020年6月26日

シノプシス、EPFLとの協業を拡張

 

2020年6月26日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)が持つ全く新しいデジタル・シンセシス・テクノロジの使用許諾に合意し、これまで行ってきた学術協業の幅を拡張したことを発表した。

 

シノプシスは過去2年にわたり、米国ロチェスター大学ならびに横浜国立大学と、超電導エレクトロニクス向けの完全なデジタル回路設計フローの開発で協業を重ねてきた。この協業は、米国情報高等研究開発活動(IARPA)のSuperToolsプロジェクトの下に実施されている。このプロジェクトは、超電導エレクトロニクスの大規模集積回路の解析と設計を可能にするEDA並びにTCADツールで構成する包括的な超電導エレクトロニクス設計フローの開発を目的とした複数年に及ぶ研究活動である。

 

EPFLのIntegrated Systems Laboratoryは、全く新しいアプローチによる論理構築フローを策定することにより、現在のチップが直面している消費電力の要件を削減することが可能なメソッドを開発した。このシステムでは、現状のエレクトロニクス回路では数十億ものトランジスタで構成されているゲートを異なる論理関数で表現することにより、演算ステップを短縮する道を拓く。この手法により、より高速かつ低消費電力なチップの実現が可能となる。Integrated Systems Laboratoryは、アメリカ国立科学財団のSuperCoolプロジェクトで研究開発が進んでいる超電導エレクトロニクス回路に、これらのメソッドを適用している。これまでのエレクトロニクス回路では、and/or/not/muxという4つの基本論理関数が用いられてきた。Integrated Systems Laboratoryは、多数決関数を含むロジック・ダイアグラムを生成するソフトウェアを根本的に刷新することにより、デジタル回路の最適化を目指している。初期の研究結果では、従来と同等のタスクの実行に必要な論理ステップの削減に成功している。その後の成果では、論理レベルの平均18%の削減が確認されている。この論理レベルの削減により、これまでよりも高速で消費電力の少ないチップの開発が可能となる。

 

超電導エレクトロニクスにより、設計者は、今日の半導体テクノロジよりも遥かに少ない消費電力で高速動作する複雑なデジタル回路を開発できるようになる。最先端のEDAならびにTCADツールは、これまで半導体の技術革新を牽引し、今日に見られる高度に洗練されたエレクトロニクス・システムの設計と製造を実現してきた。SuperToolsプロジェクトは、半導体開発で蓄積してきた経験と知見を超電導エレクトロニクスに応用していこうという試みであり、極めて低い消費電力で高速動作する回路の実現を目指している。

 

スイス連邦工科大学ローザンヌ校について

スイス連邦工科大学ローザンヌ校は、世界有数の大学付属研究機関の一つである。学生ならびに教授陣に、優れた研究施設とイノベーションを生み出す環境を提供している。同校の350の研究所や研究グループで生み出されてきた高度な成果は、多岐にわたる分野における技術的/科学的/社会的な進化に貢献しており、気候変動への対策、デジタル社会やオーダーメイド医療の進展を促進している。スタートアップ企業の支援にも取り組んでおり、研究所で開発した様々なテクノロジを市場性のある分野で実用化している。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941