ニュースリリース - 2022年10月5日

シノプシス、設計生産性を10倍向上させる業界初のゴールデン・サインオフ・ソリューションの提供を開始

高性能コンピューティング、AI、車載システム、モバイル機器向けに、最先端プロセス・テクノロジで実現するチップデザインを最速で完了

 

2022年10月5日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 –シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、長期化している設計期間の問題を解決する業界初のゴールデン・サインオフ・ソリューション PrimeClosureを発表した。最先端のエレクトロニクス・システムを可能にするチップの設計生産性を大幅に向上し、消費電力/性能/面積(PPA)を改善するこのソリューションは、業界最高水準のECO(engineering change order)サインオフ・ソリューションであるシノプシスのPrimeECO™とTweaker™ ECOを、画期的な技術革新によって統合して実現したものである。シノプシスのゴールデン・スタティックタイミング解析サインオフ・ソリューションであるPrimeTime®の高精度な解析結果ならびに解析容量と連携し、業界最速のECO収束を実現している。このソリューションの早期適用顧客では、これまでのECOソリューションと比較して、タイミング性能を最大45%向上、消費電力を最大10%削減、ECO作業のやり直しを最大50%削減し、設計生産性を最大10倍向上させている。

 

株式会社ソシオネクスト グローバル開発本部 バックエンド開発部 開発部長 寒川賢太氏は次のように語っている。「当社は、車載システム、データセンター、ネットワーキング、スマートデバイスなどのアプリケーションに向けた最先端ノードの大規模チップデザインの開発に注力しています。短期間でのECO収束は当社のビジネスの成否を分ける鍵です。シノプシス社のPrimeClosureを活用することにより、ECO期間を1/5以上短縮できました。しかもコンピューティング・リソースは1/5に、メモリー使用量は1/3に削減できました。この早期適用の結果は驚くべきものでした。当社は今後も、大規模設計生産性を10倍以上向上させるという目標に向けて、ECOの限界点を押し拡げるべくシノプシス社との協業を継続してまいります」

 

PrimeClosureは、早期適用企業向けに既に提供を開始している。一般提供は、2022年12月を予定している。詳細情報は、https://www.synopsys.com/implementation-and-signoff/signoff/primeclosure.htmlより入手可能。

 

設計収束までの期間を短縮

データセンター、モバイル、車載システム、AI、IoTといったアプリケーション分野では、非常に高い次元のPPA目標の達成が必要になる。更に、最先端プロセス・ノードでのデザインでは、新たなフィジカル設計ルールを満たす必要がある。これまでにない影響をPPAに及ぼすことになるからである。非常に大規模で複雑な超微細化デザインでは、発生しうる様々な問題を抑え込むため、あらゆる側面からのデザイン解析とECOによる最適化を実行しなければならいが、これには非常に長い期間が必要で、これまで以上に膨大なコンピューティング・リソースが必要になってくる。非常に多くの設計ルール違反を解析し、それらを根絶して設計収束を達成するのは、今日のECOが直面する大きな課題である。

 

個別要件の最適化を実行する機能を備えたPrimeClosureは、PPA、クロックネットワーク、電圧降下、ばらつき、経年劣化といった様々な設計指標を改善する。また、シノプシスのRTL to GDSⅡソリューション Fusion Compiler™やゴールデン・スタティックタイミング解析サインオフ・ソリューション PrimeTimeとも緊密に統合されているため、大規模デザインの設計収束に至る期間を早め、市場投入までにかかる期間を短縮できるフル・フローのソリューションとなっている。

 

これまでにない大規模チップ向け階層設計テクノロジを搭載したPrimeClosureは、比較的少ないコンピューティング・リソースでも、数百のシナリオを持つ10億インスタンス以上のデザインにまでスムーズに拡張適用でき、業界最速の設計収束を達成できる。無駄な枝葉部分の探索を切り捨てる独自のテクノロジにより、数千のシナリオや数百の階層ブロックを効率的にふるいにかけて、本当に最適化が必要な設計データの数を削減することができる。これにより、ECOスピードを40%以上高速化し、メモリー使用量を最大60%削減できる。

 

チップ設計最終段階での最適化

最適なPPAを達成するためには、最終段階でのデザイン最適化が大きな意味を持つことになる。PrimeClosureは、シノプシスが業界をリードするDigital Design Familyがもたらす設計情報にダイレクトにアクセスして解析を実行できる。段階的に可能になる配置情報、配線/寄生抽出等の情報、フィジカル検証結果/等価性検証結果/各種サインオフ解析結果などである。またPrimeClosureは、アンシス社のデジタル・パワー・インテグリティ・サインオフ・ソリューション Ansys RedHawk-SCとも統合動作できるため、設計後期段階でのタイミング考慮のゴールデン・サインオフECO自動化ソリューションを提供できる。この業界初のソリューションにより、後期段階で発生する電圧降下を高精度に解析して、その最大50%を修正することができ、タイミングに悪影響を与えることなく電力効率を最大限高めることができる。設計収束のコックピットとなる単一の設計環境が提供されるため、全ての設計変更が完全に実装され検証されたことを確認できるだけでなく、配置/配線/タイミング設計を同時に最適化するための新たな可能性をも探り当てることができるため、既存の設計収束ソリューションでは実現できなかったPPAを達成することが可能となる。

 

シノプシス シリコン・リアライゼーション・グループ エンジニアリング担当上級副社長 Jacob Avidanは次のように述べている。「収束性の高いデザインを効率的に実現するためには、非常に広範囲に渡るデザイン・スペースで、PPAを迅速かつ効率的に最適化できる革新的なソリューションが不可欠となります。PrimeClosureは、設計者の皆様に、最速パスでの設計収束を確実に達成できる業界初のゴールデン・サインオフECOソリューションをご提供します。そしてこれによって、設計/開発企業では、より多くのプロジェクトを大幅に短い期間で実行できるようになります」

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、業界で最も広範囲をカバーしたアプリケーション・セキュリティ・テスティング・ソリューションならびにサービスを提供しているS&P 500カンパニーである。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、よりセキュアでハイ・クオリティなコードを開発しているソフトウェア開発者に、革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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<お問い合わせ先>

 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940