ニュースリリース - 2025年3月10日

ベクター・インフォマティックとシノプシス、
先進のソフトウェア定義型自動車の開発を推進するための
戦略的な協業を発表

シノプシスのデジタル・ツイン技術とベクターのSoftware Factoryを統合したジョイント・ソリューションにより、ソフトウェア開発の“シフトレフト”が加速

概要

• 自動化された新しいクラウド対応ソリューションにより、ソフトウェア開発とシステム・バリデーションが劇的に加速。
• デジタル・ツイン構築に不可欠なオープンソース・ライブラリであるSIL Kitの強化で協業。
• ベクターの組込みソフトウェア MICROSARならびにCANoeと、シノプシスのSilverならびにVirtualizer™の統合により、Software Factoryのワークフローを合理化。OEMおよびTier1各社の開発生産性が向上。

2025年3月10日 カリフォルニア州サニーベール、ドイツ シュトゥットガルト発 - シノプシス（Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS）とベクター・インフォマティックは本日、自動車業界のソフトウェア定義型自動車（SDV）への移行を加速するための戦略的協業を発表した。協業を通じて、ベクターのSoftware Factoryとシノプシスのデジタル・ツインが持つ専門技術を活用した統合ソリューションを提供する。このソリューションにより、自動車開発に関わる企業は、ソフトウェアの検証を前倒し（シフトレフト）して開発者の生産性を向上させ、自動車のライフサイクルを通じたソフトウェア開発と適用をスピードアップできるようになる。

自動車開発に関わる企業では、ソフトウェア開発を従来のシーケンシャル開発手法から、アジャイルかつ継続的な開発フローに移行しなければならないというプレッシャーが増している。この移行は、開発の複雑化、車両プラットフォームと派生品の増加、物理的なテストの最少化、サプライヤーとの協業の合理化に対処するにあたって不可欠である。開発の複雑性が増加しているだけでなく、車載ソフトウェア開発ツールチェーンならびにプロセスで様々な軋轢の問題も発生しており、効率的で拡張性の高いソフトウェア開発手法を構築するには、包括的でシームレスかつ高度に自動化された新しい“シフトレフト”アプローチが求められている。

ベクターとシノプシスは、開発費の削減、開発反復の高速化、初期段階でのコンプライアンス検証から無線経由のソフトウェア・アップデートや稼働時のデータ収集に至るまでのソフトウェア品質の向上を実現するため、両社が持つSDV開発技術を統合する。協業の初期段階では、車両レベルのデジタル・ツイン構築に不可欠なオープンソース・ライブラリであるSIL Kitを強化していく。さらに両社は、ベクターの組込みソフトウェア MICROSARならびにCANoeと、シノプシスのSilverならびにVirtualizer Development Kits（VDK）を統合し、SDVアーキテクチャ内のあらゆる種類のECUとして適用できる仮想電子制御ユニット（vECU）を提供する。

Marelli社　Chief Technology and Innovation Officer　Joachim Fetzer氏は次のように語っている。「ツールのシームレスな統合は、効率的かつ迅速な開発プロセスにとって、特に、複雑なシステムの早期シミュレーションとシステム・バリデーションを可能にするデジタル・ツインの構築にとって重要です。Marelliはベクター社とシノプシス社の戦略協業を歓迎します。当社は、両社の統合ツールを使用して、当社の全てのエレクトロニクス製品群の開発を、より迅速に完全なデジタル開発環境に移行できることを楽しみにしています」

シノプシス　Product Management and Markets Group　上級副社長　Tom De Schutterは次のように述べている。「自動車メーカーが、ソフトウェア定義型自動車へ移行し、より短期間での市場投入を実現するためには、ソフトウェア開発とシステム・バリデーションの手法およびツールを大幅に再設計する必要があります。シノプシスは、世界の自動車エコシステムを構成する企業各社からパートナーとして高い信頼をいただいており、50社以上のOEMおよびTier 1各社に当社の仮想プロトタイピング技術をご活用いただいています。当社が業界をリードする車載エレクトロニクス・システム開発のためのデジタル・ツイン技術と、ベクター社の優れた車載ソフトウェア開発ツールとコンポーネントの専門技術を組み合わせることで、自動車の市場投入にかかかる期間の短縮と、自動車ライフサイクル全体を通じた開発効率の向上が実現します」

ベクター・インフォマティック　Software Factory担当副社長　Marcus Eggenbergerは次のように述べている。「デジタル・ツインを実現するシノプシス社の仮想化ソリューションと当社のSoftware Factoryを統合することで、自動車開発関連企業は、SILからHILへのシームレスな移行を行いながら、ソフトウェア検証とシステム・バリデーションの効率向上が可能になります。これにより、OEMとそのソフトウェア・サプライヤー各社は、ソフトウェア品質を向上させ、開発コストを削減でき、結果的に自動車業界のイノベーションが加速します」

ベクターによるSDVソリューションの詳細は、https://www.vector.com/jp/ja/products/solutions/software-defined-vehicle/より入手可能。

デジタルツインならびに車載ソフトウェア検証の”シフトレフト”を実現するシノプシスの仮想化ソリューションの詳細は、https://www.synopsys.com/automotive.htmlより入手可能。

Embedded World 2025出展情報

シノプシスとベクターは、2025年3月11-13日開催のEmbedded World 2025に出展している。シノプシス・ブース番号はホール4-222、ベクター・ブース番号はホール4-278。

ベクターについて

ベクターは、ソフトウェアベース電子システムとネットワーク開発のためのソフトウェアのツールおよびコンポーネントを 提供するリーディングカンパニーです。

ソフトウェアとエレクトロニクス開発における要件を熟知しているベクターは、この分野で 35 年の実績を持っています。 開発者の皆様が直面する複雑な課題を可能な限りシンプルかつ分かりやすく解決するエキスパートとして、世界中の お客様のテクノロジ開発を支援し、その成功に貢献しています。ベクターは、これからも、ソフトウェアツール、組み込 みソフトウェア、クラウドテクノロジといった先進的なソリューションを提供していきます。テクノロジへの情熱を持ち続け、 常に最高のパフォーマンスを提供する、それがベクターの強みです。

ベクターグループは、現在、世界中に 4,500 名以上の従業員を擁し、2023 年には 11 億 6000 万ユーロの売上を達成 しました。本社はドイツのシュツットガルトにあり、アメリカ、ブラジル、フランス、イギリス、オーストリア、ルーマニア、 イタリア、スペイン、スウェーデン、日本、中国、韓国、インドに拠点を展開しています。

詳細情報は、www.vector.com/jp/ja/より入手可能。

シノプシスについて

シノプシス（Nasdaq: SNPS）は、電子設計自動化からシリコンIP、システム検証ならびに妥当性確認に至る、信頼性の高い包括的なシリコン to システム設計ソリューションの提供により、広がりゆく知の時代を切り開いている。幅広い業界の半導体およびシステム開発企業との緊密な協業を通じて、その研究開発能力と生産性を最大限にまで高め、明日の創造力に火をつける今日のイノベーションに貢献している。

詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。