エンドtoエンドの仮想プロトタイピング・ワークフローにより、自動車、高性能コンピューティング、IoTシステム向けのソフトウェア開発と市場投入までの時間を短縮
概要
2025年3月10日 カリフォルニア州サニーベール発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、Arm®ベースのハードウェア上でのシノプシス Virtualizer™ Native Executionの提供開始を発表した。これにより、仮想プロトタイプの実行と活用が大幅に※加速し、エッジ端末で稼働させるソフトウェアの開発手法に革新がもたらされる。このイノベーティブなソリューションは、自動車、高性能コンピューティング(HPC)、IoT機器などソフトウェア定義型の製品開発を行うエンジニアリング・チームの生産性を向上させる最新/最先端の機能を提供する。
シノプシス Chief Product Management OfficerのRavi Subramanianは次のように述べている。「ソフトウェア定義型製品の登場により、シリコン設計からシステム開発に至るまでのプロセスで、製品開発手法の再構築が必要となっています。Armサーバー上のVirtualizer Native Executionにより、Armベースのエッジ端末および高性能コンピューティング機器向けの新しいアジャイルなソフトウェア開発手法が実現し、ハードウェア/ソフトウェアの協調設計が加速します」
ソフトウェア定義型製品向けのCI/CD手法に完全統合できるシノプシス Virtualizer
Virtualizer Native Executionは、Armベース・サーバーとエッジ端末間の命令セット・アーキテクチャ(ISA)の共通性を利用して、ソフトウェア開発/システムバリデーション/テストのワークフローを単純化し最適化する。これは、サーバーとエッジ端末間の共通のソフトウェア開発ツールチェーン、Armサーバー上のVirtualizer Native Executionが提供する高速かつ拡張性の高い仮想プロトタイプ環境、それらのCI/CDパイプライン(継続的インテグレーション/継続的デリバリーを実践するために必要な一連のステップの自動化)への統合を通じて可能となる。これによってもたらされる重要なメリットは、開発初期段階から、無線経由のソフトウェア・アップデートやメンテナンスに至るまで、製品ライフサイクル全体を通じてソフトウェア開発の生産性が向上し、迅速に結果を得られる点である。
Arm社 Automotive Line of Business 車載製品/ソフトウェア・ソリューション担当副社長 Suraj Gajendra氏は次のように語っている。「自動車業界の進化に伴って、急速に高度化する車載ソフトウェアの開発に必要なツールを持つことが重要となります。Virtualizer Native Executionの導入により、お客様各社では、クラウド上とエッジ端末の両方でArmの利点を活用して、ソフトウェア開発をこれまでより遥かに早く開始し、結果的に開発期間とコストを節約することができます」
Virtualizer Native Executionの主なメリットは下記の通りである。
ソフトウェア・バイナリをArmアプリケーション・プロセッサコア上で直接実行することで、Virtualizer Native Executionのシミュレーション実行速度が大幅に*向上し、市場投入までの期間を短縮できる。さらに、共通のツールチェーン、Virtualizerならではのデバッグ/解析機能、CI/CDパイプラインへの統合によりデバッグ・サイクルが加速し、より高品質なソフトウェアの実装が可能となる。
シノプシスの広範なモデル・ライブラリ(インターフェースIP、アクセラレータ、その他の専用サブシステムのモデルなど)をArmハードウェア上で活用することにより、より早期段階でファームウェアやアプリケーション・ソフトウェアの統合とシステム・バリデーションを開始できるため、製品のデバッグ・サイクルと市場投入までの期間を短縮できる。
Virtualizer Native Executionは、ZeBu® Server 5、ZeBu EP1、ZeBu EP2、および最近発表されたZeBu-200システムを含むシノプシス ZeBuファミリーとのハイブリッド・プロトタイピングをサポートしている。これにより、ソフトウェア稼働ベースの消費電力見積もりやアーキテクチャ・パフォーマンス解析など、ソフトウェア集約型のユースケースのバリデーション実行時間を短縮することができる。
Virtualizer Native Executionが提供する仮想プロトタイプ環境では、シノプシスの包括的なツール群と組込みソフトウェア・エコシステムを利用できる。この高い拡張性により、より早く、より生産的なシステム・バリデーションを実行するための完全なデジタル・ツインを構築できるため、ソフトウェア定義型製品の市場投入までにかかる期間を短縮できる。
Virtualizer Native Executionは、Ampere、AWS、Google、Microsoft、NvidiaなどのArmベースのインフラをサポートしている。開発者は、クラウドまたはオンプレミスでのコンピューティング・リソースの活用を最適化し、パフォーマンス/電力/コストをバランスさせ、自身の開発ワークフローに適合させることができる。
※約2-4 GHzのネイティブ・サーバースピードに基づく。
提供可能時期ならびに関連情報
Virtualizer Native Executionは、既に提供を開始している。ZeBu-200は、早期適用顧客に既に提供を開始している。
https://www.synopsys.com/verification/virtual-prototyping/virtualizer.html
Transforming Edge Software Development with Arm-based Virtual Prototyping
Virtualizer Native Execution Accelerates Software Defined Product Development for Arm Solutions
https://www.synopsys.com/events/embedded-world.html
シノプシスについて
シノプシス(Nasdaq: SNPS)は、電子設計自動化からシリコンIP、システム検証ならびに妥当性確認に至る、信頼性の高い包括的なシリコン to システム設計ソリューションの提供により、広がりゆく知の時代を切り開いている。幅広い業界の半導体およびシステム開発企業との緊密な協業を通じて、その研究開発能力と生産性を最大限にまで高め、明日の創造力に火をつける今日のイノベーションに貢献している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
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