ニュースリリース - 2011年7月21日

リコー、シノプシスのProcessor Designerを用いてカスタムDSPの開発期間を短縮

性能目標を達成しつつ開発期間を半減

<要旨>

  • DSP設計の専門知識がないにもかかわらず、わずか5ヶ月でカスタムDSP(Digital Signal Processor)の設計を完了。
  • Processor Designerの活用により、ソフトウェア開発ツール群や最適なRTLの生成まで含めたDSP開発工程全般を自動化し開発期間を半減。
  • Processor DesignerのLISA言語を用いて、DSPに独自の機能と命令セットを追加し性能目標を達成。


2011年7月20日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 -
 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、株式会社リコー(以下、リコー)が、シノプシスのProcessor Designerを用いて、カスタムDSPを開発したと発表した。リコーの基盤技術研究センターは、DSP設計の専門知識がないにもかかわらず、わずか5ヶ月で最新のDSPの設計を完了した。Processor Designerは、ソフトウェア開発ツール群や最適なRTLの自動生成によって、このカスタムプロセッサの設計を自動化し、従来の設計手法と比べて開発期間を50%削減した。

Processor Designerを使用すると、単一の抽象度の高い仕様から各種ソフトウェア開発ツールやRTL、命令セット・シミュレータ(ISS)などを自動生成できるため、特定用途向けプロセッサ(ASIP)やプログラマブル・アクセラレータの開発期間を短縮できる。こういったプロセッサやアクセラレータは、多くの機能を1チップのSoC上に統合していくという市場の要請に応えることができるため、益々開発ニーズが高まっており、画像、音声、セキュリティー、ネットワーキング、ベースバンド、各種工程の制御と自動化、といった幅広いアプリケーションの実現にとって理想的な手段である。

株式会社リコー 研究開発本部 基盤技術研究センター 主幹研究員 木村貞弘氏は次のように語っている。「Processor Designerを利用することで、RTLやソフトウェア開発ツール群の生成といった詳細な作業に煩わされることなくデザインに専念でき、高品質なカスタムDSPを簡単に開発できます。これは、まさに私たちが求めていたものでした。Processor Designerによって、ユーザー定義の特殊命令セットを含めたカスタムDSPを、当社が想定していた開発期間の半分の時間で開発できました」

リコーの開発チームは、Processor Designerへのデザイン入力に使われるLISA言語をすぐに習得した。同チームは、LISA言語が、カスタムDSPに独自の機能や命令セットを追加するのに最適な非常に強力で使い易い記述言語であることを実感した。Processor Designerを使用することによって、RTL記述よりはるかに少ないコード数でデザインを記述できたため、開発期間を大幅に短縮することができたのである。

シノプシス IP&システム マーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「今回のリコー様の成功は、設計者の皆様がカスタム・プロセッサの開発工程を劇的に短期化・簡素化し、開発工数全体を削減するにあたってProcessor Designerがいかに信頼できるツールであるかを実証するものです。特定用途向けプロセッサやプログラマブル・アクセラレータを開発する設計者の皆様は、Processor Designerをお使いいただくことによって、めまぐるしく進化する市場の要請に対応し、チップの性能や消費電力あるいは面積といった部分で妥協することなく最適なアーキテクチャを追い求めることができます」

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3940   FAX: 03-6746-3941