ニュースリリース - 2017年6月29日

京セラ、ハイパフォーマンスなプロパティ検証にシノプシスのVC Formalを採用

複合機向けの複雑なSoCデザインの検証収束期間を短縮

2017年6月28日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス（Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS）は本日、通信/情報機器、半導体パッケージ、電子部品のリーディング・カンパニーである京セラ株式会社が、複合機（MFP）向けSoCのハイパフォーマンスなフォーマル・プロパティ検証ソリューションとしてシノプシスのVC Formal^TMを採用したことを発表した。同社は、VC Formalの次世代高性能フォーマル・エンジンとヒューリスティック・パフォーマンス・アルゴリズムを活用し、フォーマル・プロパティ検証にかかる期間の短縮に成功した。また同社は、VC FormalとVCS^®/Verdi^®/Certitude^TMの検証テクノロジとのネイティブ統合を活用し、非常に効率の高い堅牢なフォーマル検証メソドロジを確立した。

京セラドキュメントソリューションズ株式会社 ソフト開発本部 ソフトウェア1統括技術部 部長 村尾元秀氏は、次のように語っている。「当社では、業界最高の印刷ソリューションを提供するため、複雑なSoCを開発しています。品質の高い製品を提供するには、スタティック検証、ダイナミック検証、フォーマル検証などの検証テクノロジを効率的に適用し、こうした複雑なSoCデザインに対し網羅的な検証を行う必要があります。当社では、VC FormalとCertitudeの故障注入ならびにミューテーション解析テクノロジを活用し、過去のMFP製品の特定のバスアクセス・タイミングにおける潜在的な問題を発見しました。さらに論理合成可能なCPUモデルを用いることで、これらの潜在的問題は製品の使用条件下では発生しえないことを証明できました。VC FormalとCertitudeの活用により、当社のMFP製品の検証の品質を高めて市場投入までの時間を短縮することができました」

シノプシスのVC Formalは、独自の各種検証エンジンとそれらのスマートな連携により、短期間でのプロパティ検証収束を実現している。革新的な世界最高水準の大容量データ・モデルにより、従来のフォーマル検証ツールでは実行できなかったような大規模SoCのフォーマル検証の実行が可能となっている。またVC Formalのデバッグ・ソリューションは、Verdiとのネイティブ統合により実現されているため、シミュレーション担当者はフォーマル検証テクノロジを迅速に活用でき、検証完了までにかかる期間を短縮することができる。さらに、VCSと統一のコンパイル・エンジンを使用しているため、シミュレーション環境から短時間でVC Formal検証環境をセットアップすることができ、開発期間を短縮することができる。またCertitudeとの統合検証フローを構築できるため、Certitudeの故障注入テクニックを利用してフォーマル検証テストベンチの欠落を特定/根絶し、検証抜けを解消することができる。

シノプシス　ベリフィケーション・グループ　R&D担当・副社長　Mo Movahedは、次のように述べている。「京セラ様とは、MFP製品向けSoCの最先端検証ソリューションの開発のための協業を重ねてまいりました。SoCの複雑化と開発期間の短縮要求はとどまることを知りません。これに対応できる最も高速で大容量のフォーマル検証ソリューションの提供は当社の責務です」

シノプシスについて

Synopsys, Inc.（Nasdaq上場コード:SNPS）は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域（Silicon to Software）をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化（EDA）ソリューションならびに半導体設計資産（IP）のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC（system-on-chip）設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。