ニュースリリース - 2010年11月19日

シノプシスのIC Validator、TSMC社の40nm/65nmプロセスiDRC/iLVS向けフィジカル検証ツール認定を獲得

“インデザイン”フィジカル検証でのDRC/LVSルールファイル実行によりテープアウトを加速

2010年11月17日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 -半導体の設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、IC ValidatorがTSMC社の40nm/65nmプロセス向けインターオペラブルDRC/LVSルールファイルに適合したフィジカル検証ソリューションとして認定され、TSMC社に製造委託している企業向けに提供を開始したことを発表した。IC Validatorは、シノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォームを構成するフィジカル検証ソリューションであり、IC Compilerとの協調動作により、インデザイン・フィジカル検証を実行する。インプリメント実行環境の中でフィジカル検証を実行することにより、配置配線担当の設計者はデザインの製造性を高めつつインプリメントを進めることができ、テープアウトまでにかかる期間を短縮することができる。今回の認定により、TSMC社の40nm/65nmプロセスを使用する多数の設計チームは、業界唯一のインデザイン検証フローのメリットを活用できるようになった。

TSMC社 デザイン・インフストラクチャ・マーケティング担当ディレクター Suk Lee氏は次のように語っている。「当社のOpen Innovation PlatformTM構想の柱であるiDRCならびにiLVSフォーマットにより、効率的なデザインルール開発と適用が可能となり、各種EDAツールによる統一的なルール解釈と当社のお客様への迅速なソリューション提供を実現できます。今回、厳格な認証プロセスを経て、シノプシス社のIC Validatorを当社の40nm/65nmプロセス向けiDRC/iLVSルールセットを備えたフィジカル検証ソリューションに認定しました。両社共通のお客様にご活用いただけます」

IC Validatorは、ルール全体を解析して高度なタスク並列実行に適した効率的なインストラクション細分化を行うことにより、その実行スピードを大幅に高めている。また、各種の分散処理に対応したハイブリッドなデータ分割処理やコマンド実行エンジンによって、ディストリビューション・コンピューティングやマルチスレッディングといった高度な分散処理にツール実行環境を自在に拡張できるため、最先端のプロセス・ノードで必要とされる複雑なポリゴン・ルールやエッジベース・ルールのコーディングやバリデーションも高速実行できる。IC Validatorは、生産用の実チップ開発プロジェクトに使用できる状況にあり、既に先進のファブレス半導体企業や半導体製造企業、ファウンドリなどで数多くのテープアウトに使用された実績を持っている。

IC ValidatorとIC Compilerは、データ・モデルとツール実行エンジンを共有することで、フィジカル検証とフィジカル・インプリメンテーションが統合された“インデザイン”フィジカル検証フローを実現している。これにより設計生産性の向上とサインオフ精度の設計結果品質を両立させることができる。これまでフィジカル設計・検証で用いられてきた“インプリメントして検証”する手法とは異なり、インデザイン・フローでは、テープアウト間近の最終段階になって設計修正を迫られる不測の事態を回避することができ、開発コスト増加要因となるインプリメント工程-サインオフ工程間の設計やり直しを削減することができる。インデザイン・フィジカル検証手法は、配置配線実行中に、インクリメンタルDRC、エラー自動検出/修正、タイミングドリブン・メタルフィル挿入、高速ECOバリデーションなどを実行できるため、フィジカル設計者は、最終的なサインオフ・チェックを容易にクリアできるマニュファクチャリング・クリーンなデザインを生成でき、かつテープアウトまでにかかる期間全体を短縮できる。

シノプシス 上級副社長兼インプリメンテーション・グループ・ジェネラル・マネージャー Antun Domicは次のように述べている。「シノプシスは、お客様の設計効率のさらなる向上を目指して、各種標準化活動やインターオペラビリティ確立への取り組みに積極的に協力しています。今回はTSMC社と緊密に協力して、インターオペラブルなファイル・フォーマットを開発し、同社の先進のプロセス・テクノロジ向けにIC Validatorの認証作業を行いました。今回の認定により、当社はインデザイン・フィジカル検証がご提供する実証済みのメリットを急増中の65nm以降のチップ設計チームの皆様にご提供してまいります」

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
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