バーチャル・プロトタイプによってテストコストを削減し、コーナーケース・テストを容易化
要 旨
2011年1月11日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、乗用車大手メーカー マツダが、CoMET/METeorを用いて、同社の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)の検証に、シノプシスのバーチャル・プロトタイピング・ソリューションを活用していると発表した。マツダは、過去一年間、METeorが提供する組込みソフトウェア開発環境を用いて同社のECUシステムの検証をバーチャル環境で実施しており、実際の自動車を使ったテストや、HILS(Hardware In-the-Loop Simulation)テスト装置による検証を削減することにより、開発期間や開発コストの大幅な抑制の可能性を見出している。バーチャル・プロトタイプ作成ツールCoMETが生成する高精度なモデルを使って、危険な実地テストやテスト・コンディションを統一条件に維持したテストをバーチャルに実施し、高次元の安全性、信頼性、品質を向上させている。
マツダの車両システム開発部 部長 内藤 久佳氏は次のように語っている。「今日では、ECUは車の性能とコストを左右する非常に重要な装置です。ECUの開発期間と開発コストの削減だけでなく、ECUの安全性と信頼性を確かなものとするためにも、バーチャル・プロトタイピングは必須の開発手法です。その手法として当社がシノプシス社のバーチャル・プロトタイピング・ソリューション CoMETとMETeorを選んだのは、同社のソリューションによってサイクル精度のモデル開発と高速なシミュレーションが実行できるからです。」
シノプシス ソリューション・グループのマーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「現在、自動車に搭載されているソフトウェアは複雑化の一途をたどっており、数百万行にも昇る膨大なソフトウェア・コードは燃費性能から安全性能にいたるあらゆる性能に影響を及ぼすため、自動車メーカー各社はその開発に日夜格闘しています。バーチャル・プロトタイピングは、この課題の克服に必須となる設計フローの中核をなすソリューションです。特にECUの開発にあたっては、システム・バリデーションとソフトウェア開発を、設計フローの早期段階に高い品質レベルで実行することが非常に重要であり、その自動車の市場での勝敗を左右することになります」
バーチャル・プロトタイプは、半導体上のシステム全体をソフトウェア・モデルで表現したものである。システム開発者とソフトウェア開発者は、バーチャル・プロトタイプを活用することによって、半導体の実機が完成する数ヶ月も前から、システムやソフトウェアの開発とデバッグを行うことが可能になる。シノプシスのバーチャル・プロトタイピング・ソリューションは、他の開発ツールとの統合開発環境の構築が容易で、マルチコア・システムの解析/デバッグに強く、実機スピードでのシミュレーションを実行でき、実際のインターフェイスの適用もできるため、開発者の生産性が向上する。このソリューションにより、ハードウェアとソフトウェアの平行開発を実現できるため、組込みシステム開発者は、ハードウェアとソフトウェアの統合完了までの期間を劇的に短縮でき、製品の市場投入までにかかる期間を削減することができる。
シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。
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