TSMC社の28nmプロセスを用いる設計者の早期量産開始・早期市場投入を実現するための最適なメソドロジを提供
2011年5月26日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、TSMC社の28nmプロセス・テクノロジ向け製造性コンプライアンスと最先端システムレベル・プロトタイピングのソリューションを組み込んだ包括的な設計フローをTSMCリファレンス・フロー 12.0で提供開始したと発表した。今回のフローに搭載された新しい機能としては、TSMC社の最先端プロセス向けのバーチャル・プロトタイピングならびに高位合成ソリューション、製造性コンプライアンス機能の拡張、シノプシス Galaxyデザイン・プラットフォームでのTSMC社の最新の28nmデザインルールならびにモデルの完全サポートなどがある。ツールの各種新機能とシステムレベル設計機能の統合により、設計者は、TSMC社28nmプロセスをターゲットにした設計で生産性を改善し、早期量産開始・早期市場投入を実現することができるようになる。
TSMC社 デザイン・インフラクトラクチャ・マーケティング担当ディレクター Suk Lee氏は、次のように語っている。「当社とシノプシス社は、両社共通のお客様に最適化された設計メソドロジを提供することによって、その設計生産性と設計品質を向上していただくため、リファレンス・フロー 12.0の開発に共同で取り組んでまいりました。シノプシス社の各種設計ツール、IP、システムレベル設計機能ならびにバーチャル・プロトタイピング機能と、当社の完全な28nm設計インフラならびに最先端プロセス・テクノロジの組み合わせにより、設計者の皆様には、最適な性能と製造性を両立させたデザインを実現する包括的なソリューションをご提供できるようになりました」
シノプシスは、どのバーチャル・プロトタイピング・ソリューションとSynphony C Compilerの高位合成ソリューションを用いて大量のソフトウェアとハードウェア・プラットフォームの早期開発と迅速な検証を実現する包括的かつ一貫性の高いメソドロジを提供するため、リファレンス・フロー 12.0の拡張に取り組んだ。シノプシスのバーチャル・プロトタイプ作成ツールとTLM 2.0モデル・ライブラリを使用することにより、設計者はシステムモデルを素早くかつ自動で生成・統合し相互接続してバーチャル・プロトタイプを構築することができる。このフローにTSMC社のPower Performance Areaモデルを組み込むことにより、ハードウェア設計者とソフトウェア開発者は、TSMC社のテクノロジ・ノードとソフトウェア仕様に依存するトレードオフを開発フローの中で数ヶ月前倒しで実行できるようになる。このシステムレベル設計フローは、SystemCTM TLM 2.0ならびにUVMベースのシノプシス VCS検証ソリューションが提供するRTLモデルとハイブリッド・バーチャル・プロトタイプを統合することにより、検証環境の再利用とソフトウェア・ドリブンのシステム検証を実現する。高位合成ソリューション Synphony C Compilerは、TSMC社の最先端プロセス向けに最適化されているため、設計者は抽象度の高いC/C++コードから性能/消費電力が最適化されたデザインを迅速に生成することができる。
このフローには、ARM® CortexTM-A9 MPCoreTM Fast Modelベースのバーチャル・プロトタイプがリファレンスで含まれており、H.264形式のビデオ・サブシステムのTSMC実装例で拡張が施されている。同じくフローに搭載されているLinux SMPカーネルとファイルシステムとの連動により、この実装例はハードウェア/ソフトウェアの早期統合のための現実的なテンプレートとして機能し、バーチャル・プロトタイプ上でのデバッグと解析をフルに実行できる。また、このフローはSynphony C Compiler向けに完全にドキュメント化されたデザイン例も提供している。
Galaxyデザイン・プラットフォームは、フィジカル設計からサインオフに渡って製造性コンプライアンスを確立するためTSMC社の最新の28nmデザインルールを包括的にサポートしている。さらにリファレンス・フロー 12.0には、テープアウト直前のデザイン上で、最終段階でのリーク電流修正を実行するIC Compilerのリーケージ最適化エンジンも組み込まれている。また、IC Validatorの特許技術であるパターン・マッチング・テクノロジも組み込まれているため、製造性を阻害するレイアウト・パターンを素早く特定/修正するIC Compilerの“インデザイン”フィジカル検証機能のメリットも活用できる。
シノプシス コーポレート・マーケティング&ストラテジック・アライアンス担当副社長 Rich Goldmanは、次のように述べている。「設計者は、システムレベルのコンセプト段階からシリコン製造まで一貫してSoC開発を実行できる収束性/結果予測性の高いフローを使用することによって、TSMC社の最先端プロセス・ノードの利点を最大限活かしたいと考えています。シノプシスは、TSMC社との協業により、ファレンス・フロー 12.0の中で優れた解析/検証/設計ソリューションを実現し、両社共通のお客様が、その高度なSoC設計目標を達成するための最適な手法をご提供できるようになりました」
TSMCリファレンス・フロー 12.0のシノプシス・フローについて
TSMCリファレンス・フロー 12.0には、シノプシスの包括的なシステムレベル設計ソリューション、インプリメンテーション・ソリューション、検証ソリューション、IPが組み込まれている。主要な構成要素は以下の通りである。
システムレベル設計
DesignWare IP
検証
フィジカル・インプリメンテーション
RTLシンセシスならびにテスト容易化設計
解析ならびにサインオフ
早期歩留まり立ち上げ
また、シノプシスのプロフェッショナル・サービスは、TSMCデザインセンター・アライアンスに加盟しており、Lynx Design SystemならびにTSMCリファレンス・フロー 12.0でのチップ・インプリメンテーションとフロー適用に関して、技術的専門知識を提供できる。さらにシノプシスは、DesignWareライブラリのユーザーに、TSMC Nexsysスタンダードセル・ライブラリならびにI/Oライブラリを無償で提供している。
シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。
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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
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