ニュースリリース - 2011年6月3日

シノプシスとTSMC、アナログ・ミックスドシグナル・リファレンス・フロー 2.0を構成する -- カスタム設計ソリューションの開発で協業

シノプシスのGalaxy Custom Designerが最先端プロセス・ノードでの設計課題に対応した新機能を提供

  • 寄生による影響を考慮した設計機能により、最終段階での設計のやり直しを削減
  • レイアウトに起因する影響を考慮した設計機能により、デバイス上で不測の相互作用が発生することによって長期化するレイアウト作業期間を短縮


2011年6月2日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 -
 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、TSMC社との協業を通じて、TSMC 28nm AMS(analog/mixed-signal)リファレンス・フロー 2.0を構成するシノプシス・カスタム設計ソリューションの提供を開始すると発表した。この設計フローは、TSMC社の包括的な28nm設計インフラの一部で、設計生産性を向上し設計期間を短縮する先進の設計自動化機能を提供する。新機能には、寄生による影響を考慮した設計メソドロジ、レイアウトに起因する影響(LDE:Layout Dependent Effect)を考慮した設計メソドロジなどがある。

TSMC社 デザイン・インフラクトラクチャ・マーケティング担当ディレクター Suk Lee氏は、次のように語っている。「AMSリファレンス・フロー 2.0は、当社の最先端プロセス・ノードに則した新しいアナログ/ミックスドシグナル設計自動化機能をご提供します。シノプシス社のCustom Designerは、デザインに新しい機能を迅速に盛り込み当社の最先端プロセス・テクノロジに統合するための設計環境を提供してくれます」

シノプシスの包括的なカスタム設計ソリューションは、TSMC社のAMSリファレンス・フロー 2.0としてその有効性を確認済みであり、設計者は、自分の設計が求めれる品質基準を満たし、所定のスケジュールで開発を終えられることに確信が持てるようになる。このソリューションを構成する主要ツールは、カスタム設計ソリューション Galaxy Custom Designer、回路シミュレータ HSPICE、ファーストSPICEシミュレータ CustomSim、波形解析ツール Custom WaveView、フィジカル検証ソリューション IC Validator、RC抽出ソリューション StarRC Customである。

シノプシス プロダクト・マーケティング担当副社長 Bijan Kianiは、次のように述べている。「当社はTSMC社との協業を通じて、28nmプロセスの設計課題に対処できると両者が確認した効率的なカスタム設計ソリューションを両社共通のお客様にご提供します。TSMC社と当社が持つプロセス・テクノロジと設計自動化に関する専門技術の融合により、革新的なソリューションをより迅速にご提供できるようになります」

寄生による影響を考慮した設計機能
寄生による影響を考慮した設計フローは、プロセス・ベース・モデルを用いてレイアウト完成前の段階で内部配線の寄生容量を正確に見積もることができるため、寄生容量の問題に起因する最終段階での設計のやり直しを削減できる。また、配線の寄生容量制限を回路上で明示し、レイアウト全体の中で自動的に検証できる。さらに、レイアウト後の“What-if”解析も実行できるため、設計者は、レイアウトを修正したり、実際の配線上で発生する寄生容量に煩わされることなく、トランジスタ・パラメータの変更によってもたらされる改善効果を簡単に試すことができる。

LDEを考慮した設計機能
LDEを考慮した設計機能は、LDEの問題を解決するために行う設計のやり直しを削減し、スピーディなレイアウト作業を可能にする。この手法により、設計者は最初にレイアウトを実行する前の設計段階でLDEをモデル化して設計を進め、テープアウトまでにかかる期間を短縮することができる。

DAC 2011でデモ公開
シノプシスは、6月5日から8日までの4日間カリフォルニア州サンディエゴで開催されるDesign Automation Conference(DAC)2011会場の数箇所で、TSMC社AMSリファレンス・フロー 2.0のCustom Designerソリューションをデモ紹介する。

  • シノプシス・ブース(ブース番号:3422)
  • 6月6日(月)から8日(水)の午後4時まで
  • TSMC社ブース(ブース番号:2648)
  • 6月7日(火)から8日(水)午前9時~午後1時30分
  • TSMC社ステージでのプレゼンテーション(ブース番号:2648)
  • 6月8日(水)午後5時

またTSMC社は、6月7日(火)の午前9時~12時正午に標準化活動紹介ブース(ブース番号:3328)で開催されるセッションでAMSリファレンス・フロー 2.0の内容を紹介する。

シノプシスのDAC 2011での各種デモやスペシャル・イベントへの参加登録は下記サイトにて受付中。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

# # #

Synopsys、CustomSim、Galaxy Custom Designer、HSPICE、StarRCは、Synopsys, Inc.の商標もしくは登録商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-6746-3940   FAX: 03-6746-3941