ARM Cortex-A15、Cortex-A7、CCI-400ソリューションの活用に向けた最適化メソドロジにより性能と消費電力目標をより短期間で達成可能に
概要
2013年3月21日英国ケンブリッジならびにカリフォルニア州マウンテンビュー発 - ARM(ロンドン株式市場上場コード:ARM、Nasdaq上場コード: ARMH)とシノプシス(Nasdaq上場コード:SNPS)は、ARM Cortex-A15 MPCore/Cortex-A7 MPCoreプロセッサ・クラスターとCoreLink CCI-400キャッシュ コヒーレント・インターコネクトを用いたデザインを28nmプロセスで最適化したシノプシス・リファレンス・インプリメンテーションの提供開始を発表した。両社は、シノプシスGalaxyデザイン・プラットフォーム、ARM Artisanスタンダードセル・ライブラリ、組込みメモリー、ARM POPテクノロジを用いて、TSMC 28HPMプロセス・テクノロジ向けに最適化した実装例の提供で協業、これによりプロセッサ・コアの実装設計、特にCortex-A15/Cortex-A7プロセッサの実装にかかる期間を短縮することが可能となった。SoC設計者は、これらのリファレンス・インプリメンテーションを活用して、高い性能を実現するCortex-A15と消費電力の少ないCortex-A7のプロセッサ・クラスターを開発でき、またそれとCCI-400インターコネクトを組み合わせることによりbig.LITTLE処理ベース・システムを開発することにより高性能と長時間バッテリー駆動を両立した製品開発が可能となる。
ARM プロセッサ部門 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Tom Cronkは、次のように語っている。「今日のマーケットで求められている様々な製品ニーズに対応するには、ARM Powered®ソリューションを多様な性能目標や低消費電力目標の達成に向けて最適化する必要があります。今回の協業の成果は、Cortex-A15/Cortex-A7プロセッサ向けシノプシス・リファレンス・インプリメンテーションとして結実しました。これらの実装例を活用することによって、お客様各社は、厳しい開発目標をより短期間で達成できるようになり、big.LITTLE処理とPOP IPがご提供するメリットを活用して目指すマーケットの要請に応えていくことが可能になります」
ARM Cortex-A15 MPCore/Cortex-A7 MPCoreプロセッサとCoreLink CCI-400インターコネクトの実装例として構築されたシノプシス・リファレンス・インプリメンテーションは、実装ツール向けのスクリプト、基準となるフロアプラン、設計制約条件、そして参照ドキュメントを提供しているため、ユーザー各社の実装作業のスターティング・ポイントとして利用することができる。これらのスクリプトは、業界で幅広く活用されているシノプシス・ツール・リファレンス・メソドロジに基づき、高性能コア向けに最適化して作成されており、Galaxyデザイン・プラットフォームが提供するDesign Compiler Graphicalフィジカル・ガイダンスなどの設計機能を用いて、論理設計段階でのタイミング設計やレイアウト設計後とのタイミング相関性を向上させることができる。さらに、IC Compilerが提供する各種テクノロジ(リーク電力を削減するため設計最終段階で行うリーケージ・リカバリー、より迅速なフロアプラン作成のためのデータ・フロー解析、トップレベルの設計収束期間を短縮するトランスペアレント・インターフェイス最適化など)も活用できる。スクリプトは、ARM Artisanスタンダードセル・ライブラリ、組込みメモリー、ARM POPテクノロジを用いてTSMC 28nm HPMプロセス向けに最適化されている。設計者は、各社独自の設計目標、プロセッサ構成、プロセス・テクノロジ、ライブラリに合わせて、さらにスクリプトを最適化することもできる。このリファレンス・インプリメンテーションは、シノプシスのLynx Design Systemにプラグインできるため、完全なチップレベル設計フローを容易に構築できる。またシノプシスは、エキスパート・エンジニアによるプロフェッショナル・サービスの提供を通じて、各社独自のSoCの設計目標達成に向けたリファレンス・インプリメンテーションの適用と最適化を支援している。
4つのMPCoreで構成したCortex-7プロセッサ・クラスター向けシノプシス・リファレンス・インプリメンテーションは、まず低消費電力を重視して最適化し、その上で最大性能を発揮できるよう最適化が施されているため、エネルギー効率の高いマルチ・プロセッシング・システムを作成できる。厳しい消費電力制約の下で、より高性能なマルチ・プロセッシングを実現したい場合には、デュアルコアのCortex-A15クラスター向けリファレンス・インプリメンテーションを活用できる。こちらは、性能を優先した上で、低消費電力化が施されている。CCI-400インターコネクト向けインプリメンテーションは、これら2種類のプロセッサクラスターをbig.LITTLE処理システムに組み込むために最適化されている。
またARMとシノプシスは、ARM AMBA 4 ACEプロトコル、CCI-400インターコネクトをサポートするDiscovery Verification IPをベースにしたシノプシスのリファレンス・ベリフィケーション・プラットフォームも構築した。このリファレンス・ベリフィケーション・プラットフォームを活用することにより、検証エンジニアは、キャッシュ コヒーレント・デザインのための非常に効率の高い検証環境を迅速に構築することができる。
シノプシス インプリメンテーション・グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Antun Domicは、次のように述べている。「今回の協業は、両社の長年にわたる共同ソリューション開発の伝統を引き継ぐ取り組みであり、両社共通のお客様が直面する設計課題の克服に向けたものです。ARM Cortex-A15/Cortex-A7とCoreLink CCI-400インターコネクト向けのシノプシス・リファレンス・インプリメンテーションは、ARM/シノプシス両社のテクノロジと高性能/低消費電力デザイン開発の専門技術をフルに活用して開発されていますので、設計者の皆様は、性能目標と消費電力目標に対して最適化されたSoCをより短い期間で開発できるようになります」
ARMプロセッサ向けシノプシス・リファレンス・インプリメンテーションの詳細について
シノプシス・リファレンス・インプリメンテーションの詳細に関しては、来週カリフォルニア州サンタクララで開催されるSynopsys User's Group Silicon Valleyで報告される。
提供開始時期
デュアルコアCortex-A15 MPCore、クワッドコアCortex-A7、CCI-400インターコネクト向け28nmリファレンス・インプリメンテーションは、シノプシスとツール・メンテナンス契約継続中のARMv7ライセンシー向けに、本日より提供を開始している。詳細な情報は、http://www.synopsys.com/ARM-Optoより入手可能。リファレンス・インプリメンテーションのLynxテクノロジ・プラグインは、2013年4月末からの提供開始を予定している。 ARM AMBA 4 ACEプロトコル、CCI-400インターコネクト対応Discovery Verification IPをベースにしたリファレンス・ベリフィケーション・プラットフォームは、本日よりシノプシスが提供を開始している。
ARMについて
ARMは、ワイヤレス、ネットワーク、コンシューマ・エンターテイメント・ソリューションからイメージング、自動車、セキュリティ、そしてストレージ機器といった高度なデジタル製品のコアとなる技術をデザインしています。ARMが提供する総合的な製品・IP(知的財産)には、組込みRISCマイクロプロセッサ、グラフィックス・プロセッサ、ビデオ・エンジン、組み込みソフトウエア、セルライブラリ、組み込みメモリ、高速コネクティビティ製品、ペリフェラル、開発ツールが含まれます。ARMは、総合的なデザインサービス、トレーニング、サポート、メンテナンスとARMの幅広いパートナーコミュニティと共に、信頼性の高い製品を迅速に市場へ投入するためのトータルシステムソリューションを、大手エレクトロニクス企業に提供しています。ARMについて詳しくは当社日本語Webサイト(http://arm.com/ja/)や、以下リンク(英語)をご覧ください。
ARM website: http://www.arm.com/
ARM Connected Community® : http://www.arm.com/community/
ARM Blogs: https://community.arm.com/p/arm-blog
ARMFlix on YouTube: http://www.youtube.com/user/ARMflix
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シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化(EDA)ならびに設計資産(IP)のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。
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