ARM CoreLink NIC-400ネットワーク・インターコネクトの新しいSystemCモデルと Platform Architect の組み合わせにより、数千にも及ぶコンフィギュレーションの中から SoCの性能向上にとっての最適解の特定が容易に
概要
2013年10月30日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ARM CoreLink NIC-400ネットワーク・インターコネクト・ベース・デザインのサポートのため、ARM AMBA 4インターコネクト・ベースSoCの性能向上ソリューションであるPlatform Architect MCO(multicore optimization)を拡充したと発表した。シノプシスのPlatform Architect MCOと、ARM CoreLink NIC-400のSystemCモデルの新製品SBL-400の組み合わせにより、SoCアーキテクトは、数千にも上るシステム・コンフィギュレーションを効率的に検討し、インターコネクトとメモリーサブシステムのパラメータ設定によってシステム・パフォーマンスや消費電力やコストがどういう影響を受けるかを視覚的に確認でき、開発対象のSoCにとって最適な組み合わせを開発プロセスの早期段階で特定可能になる。
富士通セミコンダクター株式会社 事業本部 SoC設計センター 第一検証技術部 部長 古手川博久氏は次のように語っている。「画像処理用マルチコアSoC開発にとって、アーキテクチャの検討は、システム・パフォーマンスとコストを最適化する上で非常に重要です。シノプシス社のPlatform Architect MCOとARM AMBA Designerフローを活用することによって、当社の画像処理IPのトランザクションレベル・モデルとシノプシス社の高精度なインターコネクト・モデルを組み合わせて使用できるため、パフォーマンス解析とアーキテクチャ決定をより早い段階で行って論理設計をより最適なものとすることができ、インターコネクトとメモリーサブシステムのパフォーマンスが仕様を満たしていることに確信が持てるようになります。当社はこれまでシノプシス社が提供するSBL-301モデル(NIC-301のSystemCモデル)を活用してきましたが、ARM CoreLink NIC-400とARM AMBA Designerフローををサポートする今回の新しいソリューションに期待しています」
Platform Architect MCOとSBL-400モデルを活用することにより、システム設計者は、シミュレーション実行中にNIC-400のコンフィギュレーション・パラメータを検討できるようになるため、数千にも上るシステム・コンフィギュレーションに対して多岐にわたるシミュレーションを実行して、データ収集、センシティビティ解析、原因分析を効率的に行い、パフォーマンスとコストを最適化できるようになる。Platform Architect MCOとAMBA Designer の統合環境により、システム検討に必要なコンフィギュレーション情報の管理が容易になり、コンフィギュレーション・チェックの結果を使ってAMBA Designerで有望なアーキテクチャをバリデーションすることができる。ハードウェア設計者は、ファイルに保存された最適なコンフィギュレーション情報をRTLインプリメンテーションに必要な情報と共にAMBA Designer 環境内で使用できる。
ARM社 プロセッサ部門 システムIP 担当ディレクター Andy Nightingale氏は次のように語っている。「ARM CoreLink NIC-400ベースSoCの設計者の皆様のご要望は、必要とされるサービス品質を低消費電力/低コストで実現できる最適なインターコネクト・コンフィギュレーションを選択することによって、システム・パフォーマンスを最大化することです。シノプシス社のPlatform Architect MCOとSBL-400モデルを、ARM AMBA DesignerとSynopsys Discovery Verification IPの統合環境で使用することにより、こうしたマルチコアSoCの最適化とバリデーションを実行するための完全なソリューションとなります」
またPlatform Architect は、パフォーマンス制約情報を生成する。この情報は、AMBAインターコネクトのDiscovery Verification IP(VIP)のパフォーマンス・モニターのコンフィギュレーションに再利用できる。これによりRTL検証チームは、機能検証中にアーキテクチャのパフォーマンス・バリデーションを実行でき、想定外のパフォーマンスの問題点を洗い出して、システム全体のパフォーマンス向上のために後工程で行われるアーキテクチャ修正がもたらすスケジュール遅延を回避することができる。Discovery VIPを活用することにより、検証チームは、事実上新たな工数を加えることなく、パフォーマンス制約チェックを行うことができるため、IPブロックがデザインに追加されても、パフォーマンスやプロトコル整合性といったシステム仕様に違反していないかどうかの検証作業そのものにフォーカスすることができる。
シノプシス IP&システム マーケティング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「マルチコアSoCの開発チームは、投資効果を最大化するためにプロジェクトの可能な限り早期段階でアーキテクチャ上の問題点を明らかにする必要があります。Platform Architect のパフォーマンス検討/最適化、システム・バリデーション機能を活用することにより、アーキテクチャ設計者は開発プロセスの非常に早い段階でアーキテクチャ・トレードオフのキーポイントを視覚的に確認できますので、プロジェクト後期段階になってからの設計ミス発覚ややり直しといった開発コスト増加要因を回避することができるのです」
提供時期
シARM AMBA 2、AMBA 3、ならびにAXI4やACEを始めとするAMBA 4プロトコルをサポートするPlatform Architect MCOは既に提供を開始している。ARM CoreLink NIC-400のSystemCモデルの新製品SBL-400は、2013年11月に一般提供を開始する予定である(ARM CoreLink のSBL-400ならびにSBL-301モデルを利用するためのARM AMBA Designer ESLのサポート開始も含む)。 Platform Architect の詳細情報はhttp://www.synopsys.com/PlatformArchitect より入手可能。
シノプシスについて
Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード:SNPS) は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化 (EDA) ならびに設計資産 (IP) のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。
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