ニュースリリース - 2014年6月5日

シノプシスとSTマイクロエレクトロニクスとサムスン電子、28nm FD-SOIテクノロジのSoCへの適用を促進するため協業

シノプシスGalaxyデザイン・プラットフォームにより28nm FD-SOIによって得られる高い性能と低消費電力特性のメリットを最大限活用可能に

概要

• ST社の28nm FD-SOIテクノロジ・ベースのチップをサムスン/ST両社の製造拠点で生産可能にするサムスン電子/STマイクロエレクトロニクス間の戦略的提携をサポートするため、シノプシス設計フローをサムスン社のプロセスにも拡張
  
• ST社の28nm FD-SOIテクノロジ・ベースのマルチコア・プロセッサ搭載SoCで豊富な量産実績を持つシノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォーム
• バリデーション済みのST社28nm FD-SOI向けLynx Design Systemテクノロジ・プラグインにより、設計の着手や完了までにかかる期間を短縮
  

2014年6月4日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス（Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS）は本日、ST社の28nm FD-SOIテクノロジのSoC設計への活用を支援するため、STマイクロエレクトロニクス社との協業関係をサムスン電子社に拡張したことを発表した。シノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォームは、ST社28nm FD-SOIテクノロジ・ベースのデザインで多くの量産実績を持つ設計ソリューションである。ST社28nm FD-SOIテクノロジ・ベースのチップをサムスン/ST両社の製造拠点で生産可能にするサムスン/ST社間の戦略的提携をサポートするため、今回の協業を通じてGalaxyデザイン・フローをサムスン社のプロセスにも拡張した。ST社との複数年にわたる協業を通じて構築したGalaxyフローは、面積/消費電力/タイミングをコンカレントに最適化できるため、設計者はST社28nm FD-SOIテクノロジの能力を引き出したデザインを開発できる。

STマイクロエレクトロニクス社　Design and Enablement Services担当副社長　Philippe Magarshack氏は次のように語っている。「当社設計部門とシノプシス社との緊密な協業を通じて、我々は、FD-SOIテクノロジによって可能となる性能と低消費電力特性を活かしつつ開発期間を短縮できるシリコン実証済みソリューションを実現しました。両社のタイトなコラボレーションにより、シノプシス社のGalaxyデザイン・プラットフォームとLynx Design Systemを使用する両社共通のお客様各社で既に多くのテープアウト成功が実現しています」

ST社28nm FD-SOI向けGalaxyフローは、Lynx Design Systemに完全に統合されている。Lynx Design Systemは、革新的な自動化機能と可視化機能を提供するフルチップ設計環境であり、これにより設計者は設計効率を向上させ、より短期間で設計を終了することができるようになる。ST社28nm FD-SOI Process Design Kit（PDK）、スタンダード・セル、メモリーを用いたテクノロジ・プラグインにより、28nm FD-SOI SoC向けの量産実績が豊富なGalaxyデザイン・プラットフォーム・ベースRTL to GDSⅡフローを活用でき、設計プロジェクトの着手とその実行にかかる時間を短縮できる。Lynxの自動化機能により、フロー全体を通じたバックバイアス管理、特殊接続のチェック、ウェル接続に対するインデザイン・フィジカル検証、Nウェル/PウェルのUPF電源セット・マネージメントなど、インプリメンテーションとバリデーションにとって重要な多くのタスクを容易化・高速化できる。

Lynxユーザーは、高性能・低消費電力なCPUやGPUを実現するため、Galaxyが提供する設計機能に直接アクセスできる。IC Compilerが提供するクロック/データ同時最適化、レイヤ考慮の最適化、フィジカルデータパス挿入、階層/低消費電力デザイン・テクニックの幅広いサポートなどである。

サムスン電子社　ファウンダリ・マーケティング担当副社長　Dr. Shawn Hanは次のように語っている。「20nmプロセスへ移行することなく、28nmノードで極めて高い性能と低消費電力特性を実現したいお客様にとって、28nm FD-SOIは理想的な選択肢です。当社とシノプシス社、ST社との緊密な協業により、設計者の皆様は、28nm FD-SOIテクノロジを活用して、開発リスクと開発期間を短縮しつつ、消費電力を最小化、動作性能を最大化することができます」

シノプシス デザイン・グループ　主席上級副社長兼ジェネラルマネージャー Antun Domicは、次のように述べている。「Galaxyデザイン・プラットフォームは、ST社の28nm FD-SOIプロセスでのシリコン実証済み設計ソリューションで、ギガヘルツ・レベルで高速動作する低消費電力デザインのテープアウト実績を数多く持っていますので、設計者の皆様には安心してお使いいただけます。Galaxyは、Lynx Design SystemやDesignWare IPと統合されていますので、設計者の皆様は、ST社28nm FD-SOIプロセスがもたらすメリットを最大限活用することが可能となります。当社とST社、サムスン社は、FD-SOIテクノロジをより容易にSoCデザインに活用していただけるようにするため、今後も協業を継続してまいります」

提供可能時期
ST社ならびにサムスン社の28nm FD-SOIプロセス・テクノロジ向けGalaxyデザイン・プラットフォームとLynx Design Systemは、既にシノプシスより提供を開始している。28nm FD-SOI PDK、スタンダード・セル、メモリーは、サムスン社より提供を開始している。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード:SNPS) は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化 (EDA) ならびに設計資産 (IP) のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、http://www.synopsys.com/japan より入手可能。