開発期間を数ヶ月単位で短縮する新世代の検証プラットフォーム
概要
2014年9月23日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、より早期段階でのソフトウェア開発、より短期間での最先端SoC開発のための技術革新を加速するVerification Continuumプラットフォームを発表した。Verification Continuumは、シノプシスが誇る業界最速の検証テクノロジをベースに開発されており、仮想プロトタイピング、スタティック・フォーマル検証、シミュレーション、エミュレーション、FPGAベース・ハードウェア・プロトタイピング、デバッグの各ソリューションを、検証用IP、検証プランニング、カバレッジ解析テクノロジとともに、ひとつの検証プラットフォームとして統合したものである。VCSと共通のコンパイル・エンジン、Verdiと共通のデバッグ環境を検証フローの全ての段階を通じて提供できるため、複雑化を極めるSoCの開発期間を数ヶ月単位で短縮できる。
AMD社のフェローでありプレ・シリコン・ソリューション・アーキテクトの Alex Starr氏は次のように語っている。「当社の最先端マルチコアAccelerated Processor Unitの開発においては、難易度が高まる一方のハードウェア/ソフトウェア検証に対応するため、各検証段階でシームレスに活用できる連続性を備えた検証テクノロジが不可欠です。シノプシス社のVerification Continuumは、業界の技術革新に新しい重要な方向性を与えてくれるものです。当社での最初の評価結果から、Verification Continuumは、複雑なSoCの検証とソフトウェア早期開発のために最適化された効率的かつ拡張性の高いプラットフォームにより、開発期間を短縮してくれることが実証できました」
モバイル機器やInternet of Things(IoT)機器の広がりに伴って、SoCの複雑化やソフトウェア量は増大し続けており、同時に開発期間短縮要請は高まり続けている。こうした困難に立ち向かうために、SoC開発チームは、プレ・シリコンの検証からポスト・シリコンのバリデーション、そしてソフトウェア早期開発といった検証領域全てにわたって、シミュレーション、エミュレーション、プロトタイピングといったさまざまな検証テクノロジを駆使しなければならない。現在、開発者は、ひとつに統合されていない各種検証テクノロジにあわせてデザイン作成し各検証環境に移植する作業に数ヶ月もの期間を費やしており、異なる検証ドメインにまたがるデバッグ作業や、巨大化したソフトウェア開発チームのサポートといった困難な問題が状況をさらに悪化させている。SoC開発期間短縮を実現するため、先進の開発チームでは、プレ・シリコン検証、ポスト・シリコン・バリデーション、ソフトウェア開発を平行して実行する“シフト・レフト”戦略を採用するようになっている。Verification Continuumは、検証フロー全般を通じて、各検証環境へのデザイン実装、移行、デバッグをシームレスに実施できる業界最高水準の検証テクノロジの統合により、この“シフト・レフト”戦略を可能にする。
業界最速の検証エンジン
Verification Continuumは、シノプシスが誇る業界最速の検証エンジンをベースに開発されている。仮想プロトタイピング・ツール Virtualizer、スタティック・フォーマル検証ソリューション Verification Compiler、シミュレータ VCS、エミュレータ ZeBu、FPGAベース・ハードウェア・プロトタイピング・システム HAPS、デバッグ・ツール Verdiである。こうした業界最高水準の検証テクノロジは、エレクトロニクス業界のリーディング・カンパニー各社が、多岐にわたる世界最大規模で最も複雑なチップの検証に活用している検証性能と検証容量を提供している。
業界をリードするシミュレータ VCSと共通のコンパイル
Verification Continuumは、業界で広く用いられているVCSと共通のフロントエンド・コンパイル・エンジンを搭載しているため、ユーザーは検証フロー全般を通じて一貫したシミュレーション・ライクな検証環境で作業できる。これにより、固有の検証タスクに応じて、シミュレーション、スタティック・フォーマル検証、エミュレーション、FPGAベース・ハードウェア・プロトタイピングなどの各検証手法を使い分ける際、設計データをシームレスに移行できるようになる。個別のポイント・ツールをつなぎ合わせた従来の検証フローでは、それぞれのツールをフローの中で使用するにあたって大掛かりなセットアップ作業が必要で、設計/検証言語や、その他の条件が異なる検証ツール間で設計データを移行するために数週間、数ヶ月単位の作業工程が必要になる。VCSとの共通コンパイルによって、こうした余計な作業は不要となるため、典型的な開発プロジェクトの場合、数ヶ月単位の開発期間短縮が実現する。
Verdiと共通のデバッグ環境
また、Verdi3と共通のデバッグ環境の提供により、検証フロー全般を通じて一貫したデバッグ環境で作業でき、検証生産性をより一層向上させることができる。Verdi3は、業界標準のオープン・デバッグ・プラットフォームとして広く活用されており、Verification Continuumの構成ツールとして、仮想プロトタイピング、スタティック・フォーマル検証、シミュレーション、エミュレーション、FPGAベース・ハードウェア・プロトタイピングの各検証ソリューションで共通して使用できるマルチ・ドメイン・デバッグ機能を提供する。デザインのバグは従来から用いられている検証ドメインの境界上に潜んでいるケースも多いため、Verdi3は、SPICE、RTL、トランザクションレベル、ソフトウェアといった抽象度が異なる検証ドメインで完全に動機の取れたデバッグ能力も提供する。
拡張性の高いFPGAベース・エミュレーションならびにプロトタイピング・ソリューション
SoCの複雑化やソフトウェア量の増大に伴い、先進のSoC開発チームは、市販のFPGAベース・ハードウェア-アシスト検証ソリューションが、最良かつ最も拡張性の高い手法であるとの結論に達している。ソフトウェア早期開発とSoCの検証には、極めて高性能な検証プラットフォームが不可欠となるからである。Verification Continuumには、FPGAベース・エミュレーションとプロトタイピングが根幹となる検証フローにシームレスに統合されているため、従来の手法と比べてデザイン実装にかかる期間を数週間から数ヶ月削減できる。Verification Continuumの共通コンパイルテクノロジはFPGAベース検証プラットフォームもサポートできるよう開発されているため、シノプシスのエミュレーション・システム ZeBu Server-3の場合、コンパイル時間を1/3に短縮できる。
Xlilinx社 プログラマブル製品グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Victor Peng氏は次のように語っている。「Verification Continuumには、高性能・大容量のエミュレータやプロトタイピング・システム上でのソフトウェア開発フローが不可欠な要素です。当社はVirtex® UltraScalTMデバイスをさらに進化させ、業界最大規模の20nm FPGAであるXCVU440の提供を開始しました。我々は、ハードウェア-アシスト検証ユーザーのニーズに応えるため、シノプシス社と緊密に協業し、Vivado® Design Suiteフローの最適化を進めているところです」
シノプシス ベリフィケーション・グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Manoj Gandhiは、次のように述べている。「Verification Continuumは、業界のリーディング・カンパニー各社との緊密な協業を通じて開発されたもので、SoC検証の新時代を切り開くソリューションです。シノプシスは、検証技術の研究開発に対して過去二年間にわたり膨大な投資を行ってきました。そして、その結果を早くも出すことができました。これにより最先端SoC開発に挑むお客様各社の設計期間を数ヶ月単位で短縮することが可能となりました」
提供開始時期
Verification Continuumは、2014年12月に早期適用企業向けに提供を開始し、2015年中に一般提供を開始する。
シノプシスについて
Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード:SNPS) は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化 (EDA) ならびに設計資産 (IP) のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。
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