ニュースリリース - 2014年10月30日

シノプシス、超低消費電力なセンサー機能と制御機能を提供する新しいDesignWare Sensor and Control IP Subsystemを開発

ARC EM DSP、浮動小数点ユニット、制御用ペリフェラルを搭載した統合IPサブシステムにより、性能と消費電力効率、デザインの柔軟性が向上

概要

  • 40nmローパワー・プロセスで500MHz超で動作する、最新のARC EMプロセッサとキャッシュ/DSP拡張機能を搭載した新しいDesignWare Sensor and Control IP Subsystem。
  • 浮動小数点演算を実行するセンサー・フュージョン・アプリケーションの消費電力を1/10に削減するIEEE754-2008準拠の浮動小数点ユニットをオプション提供。
  • 複素演算、フィルタリング、マトリックス/ベクター、間引き/補間機能を提供する豊富なDSP機能ソフトウェア・ライブラリにより、アプリケーション・ソフトウェア開発を短期化。
  • センサー機能に特化したハードウェア・アクセラレータ機能ブロックの搭載により、パフォーマンス効率を改善、ディスクリートIC比で消費電力を最大85%削減。
  • 新たにUART、PWM、DAC、ARM® AMBA®APBTMといったインターフェイスを搭載し、組込み制御機能実現のためのコネクティビティ・オプションを拡張。


2014年10月29日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 
半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、広範囲にわたる超低消費電力組込みセンサーならびに制御アプリケーション向けに最適化した完全なハードウェア/ソフトウェア・ソリューションDesignWare Sensor and Control IP Subsystem を発表した。DesignWare ARC EM4、EM6、EM5DあるいはEM7D 32-bitプロセッサを搭載でき、超低消費電力動作が求められるセンサーならびに制御アプリケーションに最適なエネルギー効率の高いリアルタイム制御機能とDSP性能を提供する。また、シリアル通信機能のためのUARTインターフェイス、アクチュエーター/モニター制御機能のためのPulse Width Modulation(PWM)ブロックとDigital-to-Analog Converter(DAC)インターフェイスも新たに搭載している。さらに、IEEE754-2008準拠の浮動小数点ユニットをオプション提供しており、浮動小数点演算を実行するセンサー・フュージョン・アプリケーションの消費電力を1/10に削減できる。DesignWare Sensor and Control IP Subsystem により、設計者は、Internet of Things(IoT)などのマーケットで必須となる低消費電力プロセッシング機能を備えた、事前検証済みですぐにSoC統合できるIPサブシステムを手にすることになる。

Hillcrest Labs社 CTO Chuck Gritton氏は次のように語っている。「IoT製品で必要となるセンサー機能を実現するには、専用のIPブロックを効率的に統合することが非常に重要な要素となります。シノプシス社は、これまで以上に低消費電力、小面積、高性能なセンサー・ソリューションをIoT機器に実装できる画期的なIPサブシステムを開発してくれました」

DesignWare Sensor and Control IP Subsystem  は、デジタル/アナログ・センサーや常時オン音源からの信号を最小限の消費電力で処理できるよう設計されている。これにより、ホスト・プロセッサの負荷を軽減し、より効率の高いセンサーデータ処理を実現できる。このサブシステムは完全なコンフィギュアビリティを備えており、プロセッサはARC EM4、EM6、EM5DあるいはEM7Dの中から選択できる。どのプロセッサも、命令セットやデータの格納のため最大2MBのクローズ・カップル・メモリー(CCM)をサポートしており、EM6とEM7Dはさらに最大32KBの命令セット/データ・キャッシュを組み込むことにより最大限のシステム性能と柔軟性を提供する。EM5DとEM7Dは、高性能な制御機能と信号処理機能に加え100以上のDSP命令セットを備えている。サブシステムに統合されているUART、PWM、ARM AMBA APBインターフェイスと、コンフィギュアブルなGPIO、 SPI、I2C、ADC/DACインターフェイスの組み合わせにより、様々なセンサー/アクチュエーター・オフチップ接続が可能になる。

DesignWare Sensor and Control IP Subsystem は、センサー・フュージョン・アプリケーションの膨大なデータ量を効率的に処理できるよう設計されている。また、各種DSP機能をすぐに使える形で提供するため広範囲にわたるライブラリを備えており、フィルタリング、マトリックス/ベクター、間引き/補間、複素演算をサポートしている。設計者は、EM5DやEM7Dプロセッサ、そしてプロセッサと緊密に統合されたハードウェア・アクセラレータ上でネイティブDSP命令を組み合わせて、センサー・アプリケーションに固有の信号処理機能を実装することができ、より高いパフォーマンス効率を実現しつつ、ディスクリートIC比で消費電力を最大85%削減できる。また、単精度および倍精度の浮動小数点演算を実行するセンサー・フュージョン・アプリケーションの消費電力を1/10に削減するIEEE754-2008準拠の浮動小数点ユニットをオプション提供している。さらに、ARC Processor Extension(APEX)テクノロジにより、設計者は、カスタム・インストラクションや自身のRTLを使用してユーザー定義のハードウェアをコアに追加することもできる。

シノプシス IP&システム マーケティング担当副社長 John Koeterは次のように述べている。「組込みセンサー/制御アプリケーション向けチップは、最小限の消費電力と面積で最大限の機能を統合しなければなりません。DesignWare Sensor and Control IP Subsystem は、高い柔軟性と性能を兼ね備えた各種機能を統合したソリューションとなっているため、設計者の皆様は、自身の開発対象に合わせて最適化されたデザインを実現できます。このサブシステムがご提供する拡張性の高い処理性能、超低消費電力、小面積を自在に組み合わせることによって、必要なセンサー/制御機能を短期間でSoCに統合でき、かつ開発リスクと労力を削減することができます」

提供可能時期
DesignWare Sensor IP Subsystem は、2015年1月の提供開始を予定している。
詳細な情報は http://www.synopsys.com/dw/ipdir.php?ds=sensor_subsystem より入手可能。

DesignWare IPについて
シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、デジタル・コントローラIP/PHY/次世代検証用IPからなる完全なインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、アナログIP、組込みメモリー、ロジック・ライブラリ、プロセッサ・コアならびにサブシステムで構成されている。短期間でのプロトタイプ開発、ソフトウェア開発、SoCへのIP統合を可能にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IPソフトウェア開発キット、カスタマイズ済みIPサブシステムを提供している。シノプシスのIPソリューションは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。詳細情報は http://www.synopsys.com/designware より入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード:SNPS) は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化 (EDA) ならびに設計資産 (IP) のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
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