ニュースリリース - 2014年11月6日

京セラドキュメントソリューションズ、シノプシスの特定用途向けプロセッサ開発ツールで高性能画像処理DSPの設計期間を短縮

Processor Designerを活用し、開発期間を9ヶ月削減

概要

  • シノプシスのASIP開発ツールにより、短期間でのプロセッサ・アーキテクチャの検討と最適化を実現。
  • 京セラドキュメントソリューションズ、高性能カスタムDSPを一年未満で開発。プロジェクト・スケジュールを約9ヶ月短縮。
  • ソフトウェア開発キットとRTLの自動生成により、従来手法比で開発工数を約75%削減。


2014年11月6日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 
半導体やエレクトロニクス・システムのイノベーションを加速させる開発用ソフトウェア、IP、技術サービスの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、京セラドキュメントソリューションズ株式会社(以下、京セラドキュメントソリューションズ)が、シノプシスの特定用途向けプロセッサ(ASIP:Application-Specific Instruction-Set Processor)開発ツールを用いて、同社の次世代多機能プリンター向け高性能デジタル信号処理プロセッサ(DSP)の開発期間を短縮したと発表した。同社では、ASIPの設計/最適化・自動化ツールを用いて、複雑な画像処理機能の実現に不可欠な高い性能を持つカスタムDSPの一年以内の開発に成功した。これは、同社の開発期間目標に対して約9ヶ月の短縮となる。また、固定ハードウェアではなくASIPを選択することにより、多機能プリンターに搭載する画像処理機能の実現に必要なプログラマビリティとフレキシビリティを確保することにもなった。

京セラドキュメントソリューションズ株式会社 ソフト開発本部 ソフトウェア3統括技術部 部長 岡田充弘氏は次のように語っている。「当社がシノプシス社のASIP開発ツールを採用する決め手となったのは、同社がASIP開発ツール・プロバイダとしてゆるぎない地位を築いていること、そして世界規模で多機能プリンター向けチップ・デザインの成功実績を持っていることでした。このツールによって、単一のプロセッサ仕様記述から、高品質なRTLと、最適化されたC コンパイラなどのソフトウェア開発キットの両方を生成することができたため、当社は開発プロジェクトの期間を通してDSPアーキテクチャの最適化作業に専念することができました」

これまで、京セラドキュメントソリューションズの各種多機能プリンターの開発にあたっては、各機種に合わせて固定ハードウェアを開発することによって、各機種固有のアルゴリズムと性能仕様を達成してきた。同社の次世代プリンター・ファミリーの製品ライフサイクルを通じて開発効率を改善し、総所有コストを削減するためには、機種間の差異にもっとフレキシブルに対応でき、これまで以上に高性能で完全なプログラマビリティを持つプロセッサの開発が必要だった。サードパーティーが提供する汎用DSPでは同社の性能目標を達成することはできないと判断し、京セラドキュメントソリューションズはカスタム・プロセッサの開発に踏み切り、シノプシスのASIP開発ツールの採用を決めた。

京セラドキュメントソリューションズでは、シノプシスのASIP 開発ソリューションを活用することで、抽象レベルの高い仕様記述を用いて複数のプロセッサ・アーキテクチャを短期間で作成し、性能分析を行った上で、必要な画像処理機能に合わせてアーキテクチャを最適化することができた。シノプシスのASIP開発ツールを使用すれば、単一の仕様記述から、合成可能なRTLと、命令セットシミュレータ(ISS)/アセンブラ/リンカ/デバッガ/Cコンパイラなどのソフトウェア開発キットの両方を自動生成することができる。これにより京セラドキュメントソリューションズでは、早期ソフトウェア開発とデバッグが可能になっただけでなく、これまでの開発手法と比べてソフトウェア開発キットとRTLの生成にかかる工数を約9ヶ月短縮することができた。早い段階でソフトウェア開発キットを使用でき、アーキテクチャ検討とデザイン生成を自動化できたことにより、同社では、開発期間を大幅に短縮できただけでなく、各製品機種に求められる性能に合わせた最適なチップ・デザインを実現することができた。

シノプシス IP&プロトタイピング マーケティング担当副社長 John Koeter は次のように述べている。「ASIPで固定ハードウェアを置き換えることによって、開発期間を大幅に短縮し、厳しい開発期間目標を達成することが可能になります。京セラドキュメントソリューションズ様のカスタムDSP開発成功は、当社のASIP 開発ツールによってプログラマビリティと性能を両立させるために革新的なプロセッサ・アーキテクチャを短期間で検討でき、ハードウェアとソフトウェアの開発コストを劇的に削減できることを端的に示すものです」

参考情報

DesignWare IPについて
シノプシスは、システムオンチップ向けの高品質かつシリコン実証済みIPのリーディング・プロバイダである。シノプシスの多岐にわたるDesignWare IP群は、デジタル・コントローラIP/PHY/次世代検証用IPからなる完全なインターフェイス(業界標準プロトコル)IP、アナログIP、組込みメモリー、ロジック・ライブラリ、プロセッサ・コアならびにサブシステムで構成されている。短期間でのプロトタイプ開発、ソフトウェア開発、SoCへのIP統合を可能にするため、シノプシスのIP Acceleratedイニシャティブは、IPプロトタイピング・キット、IPソフトウェア開発キット、カスタマイズ済みIPサブシステムを提供している。シノプシスのIPソリューションは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IPのSoCへの統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。
詳細情報はhttp://www.synopsys.com/designwareより入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、グローバル・エレクトロニクス・マーケットでテクノロジ・イノベーションを展開している。そのソフトウェア製品、IP、技術サービスは、エンジニアが直面する設計/検証/システム開発/製造の課題の解決を支援しており、シノプシスは電子設計自動化(EDA)ならびに設計資産(IP)のリーディング・カンパニーとなっている。1986年の創業以来、世界中のエンジニアがシノプシスのテクノロジを使用して、何十億もの半導体やシステム機器を設計開発している。詳細な情報は、http://www.synopsys.com/japanより入手可能。

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Synopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。 
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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充 
TEL: 03-6746-3940  FAX: 03-6746-3941