ニュースリリース - 2016年3月25日

シノプシス、VCSの画期的なシミュレーション並列処理テクノロジを発表

シノプシスの細粒度並列処理技術 CheetahによりRTLシミュレーションが5倍、ゲートレベル・シミュレーションが30倍高速化

概要

  • 増大する一方のSoCの複雑度と開発期間短縮の必要性への対応には、シミュレーションの技術革新が不可欠
  • 先進の高性能メニーコア・プロセッサが提供する並列処理エンジンと高速なメモリー・データ転送能力を活用して、シミュレーション性能を向上
  • メニーコア・プロセッサ・アーキテクチャを活用したシミュレーション並列処理を実行するブレイクスルー・テクノロジ Cheetah
  • Cheetahテクノロジにより、RTLシミュレーションが5倍、ゲートレベル・シミュレーションが30倍高速化


2016年3月24日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 – 
シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、シノプシスの検証ソリューション VCS®に搭載されるシミュレーションのブレイクスルー・テクノロジ Cheetahを発表した。Cheetahは、細粒度並列処理(fine-grained parallelism)技術と先進のCPUならびにGPUアーキテクチャを活用して、RTLシミュレーションを5倍、ゲートレベル・シミュレーションを30倍まで高速化する。

NVIDIA社 GPU開発担当上級副社長 Jonah Alben氏は次のように語っている。「検証の複雑性が2年ごとに4倍のペースで上昇する一方で、シミュレーション性能の向上ペースは年間10~20%に過ぎません。GPUは、その世代交代ごとに、並列処理性能と実行速度を大幅に向上させています。これらの技術を論理シミュレーション/論理検証の高速化に活用する余地は大きく、シノプシス社のVCS Cheetahテクノロジは、まさに正しい方向性の技術です」

シミュレーションは、依然としてSoC検証フローの中核技術であり、実行されなければならない検証タスクの大半を担っている。したがって、複雑度と規模が増大する一方のSoCを予定の期間内に開発完了するためには、シミュレーション性能の向上が最も重要な要素となる。VCSは、1992年のリリース以来、最高のシミュレーション性能を提供し続けて業界をリードしてきた。20年以上の長きにわたり、業界で最も大規模なデザインはVCSを使って検証されてきた。

これまでVCSが業界に提供してきた革新的な検証技術には、Roadrunnerテクノロジ、Radiantテクノロジ、ネイティブ・テストベンチ・テクノロジ、ネイティブ・ローパワー検証テクノロジ、その他数々のネイティブ最適化技術があり、シングルコア環境でもシミュレーション性能の向上を実現してきた。

ここ数年間の、高いメモリー・データ転送速度を持つメニーコア・プロセッサ・アーキテクチャの進化により、並列処理アルゴリズムの可能性が大きく広がっている。例えば、先進のサーバーに採用されているプロセッサ・アーキテクチャには、72のCPUコア、1152のベクターコアを搭載するものもあり、最先端のGPUアーキテクチャには3072ものコアが搭載されている。

メニーコア・アーキテクチャは、細粒度並列処理技術を用いたシミュレーション高速化に新たな方法論を提供するものとなった。細粒度並列処理技術の活用により、デザイン・モデルをミクロのタスク/イベント単位に分解し、大量の並列カウントでシミュレーション実行することが可能になる。シノプシス特許技術であるCheetahテクノロジはインテリジェントなハードウェア活用アルゴリズムにより、対象のプロセッサ・アーキテクチャに合わせて、細粒度並列処理技術や、タスク・スケジューリング/同期化の処理時間/ダイナミック負荷分散/キャッシュ使用効率/全体的なシミュレーション性能を最適化するVCSパフォーマンス・テクノロジを適用する。多数のCPUやGPU、それらの混在するヘテロジニアスな実行環境下で、Cheetahテクノロジは、RTLシミュレーションを5倍、ゲートレベル・シミュレーションを30倍まで高速化する。大規模SoCのRTLシミュレーション、ゲートレベルDFTネットリスト・シミュレーションの場合、シングルコア環境では数日から数週間シミュレーションを走らせなければならないが、Cheetahテクノロジにより、これらの検証タスクの並列実行最適化が行われ、数時間の単位に短縮できる。

シノプシス ベリフィケーション・グループ 主席上級副社長兼ジェネラルマネージャー Manoj Gandhiは、次のように述べている。「難易度が増す一方の検証課題を解決するため、当社は業界の一歩先を行くパフォーマンス・イノベーションをVCSに組み込むべく、技術開発に注力しています。我々は、業界のリーディング・カンパニー各社と協業してまいりましたが、新しいCPUならびにGPUアーキテクチャを活用した細粒度並列処理技術がもたらすシミュレーション性能向上の可能性の大きさを確信しています。今後2年以内に、VCSに搭載されたCheetahテクノロジをご活用いただけるようになります」

シノプシスについて
 
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第16位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。詳細な情報は、 http://www.synopsys.com/japan より入手可能。

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