ニュースリリース - 2017年5月25日

シノプシスのCustom Compiler サムスン社の28nm FDSプロセスの認証を取得

IoT、モバイル・コンピューティング、車載アプリケーション開発を支援する認証済みシノプシス・カスタム設計プラットフォーム

概要

  • 回路シミュレータ HSPICE®、カスタム・レイアウト・ソリューション Custom CompilerTM、RC抽出ソリューション StarRC、フィジカル検証サインオフ・ソリューション IC Varidatorから成るシノプシスのカスタム設計プラットフォームが、サムスン社の28FDSプロセス認証を取得

  • 28FDSデザインのレイアウト工数を最大30%削減するCustom Compilerの配置配線アシスト機能  

  • セルフヒーティング効果も再現できるシリコン特性に忠実なHSPICEモデルにより、サムスン社28FDSプロセスでのシミュレーション精度が向上 

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  2017年5月24日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、シノプシスのカスタム設計プラットフォームが、サムスン社の28FDS(FD-SOI)プロセス認証を取得したことを発表した。認証を受けたシノプシス・カスタム設計プラットフォームは、業界標準回路シミュレータ HSPICE、ビジュアル・アシスト自動レイアウト・ソリューション Custom Compiler、業界標準RC抽出ソリューション StarRC、拡張性の高いフィジカル検証サインオフ・ソリューション IC Varidatorで構成されている。これにより、IoT機器をはじめとする各種の低消費電力アプリケーション向けにサムスン社28FDSデザインを開発している設計者のカスタム/ミックスドシグナル設計生産性が向上する。

 

Custom Compilerが提供する、設計者のガイダンスに従ったシンボリック・エディティング・テクノロジを活用することにより、28FDSでのデバイス配置は大幅に高速化する。なかでもインタラクティブ・カスタム配線テクノロジは、DRC違反を起こさない配線を短時間で生成できるため、開発最終段階でのフィジカル検証サインオフのイタレーションを削減することができる。Custom Compilerの配置配線アシスト機能により、28FDSデザインのレイアウト工数を最大30%削減することができる。これらの最先端機能は、サムスン社と共同開発した28FDSプロセス・デザインキット(PDK)により実現している。PDKは業界標準のインターオペラブルなプロセス・デザインキット(iPDK)フォーマットで作成されている。

 

サムスン・エレクトロニクス社 ファウンダリ・デザイン部門 上級副社長 Jaehong Park氏は次のように語っている。「当社の28FDSは、設計コストを抑制し、トータルの消費電力を削減し、高いアナログ性能を実現することができるため、IoT機器をはじめとする各種の低消費電力アプリケーションに最適なプロセス・テクノロジです。シノプシス社との協業を通じて達成したシノプシス・カスタム設計プラットフォームの28FDSプロセス認証により、設計者の皆様は、カスタム・デザインの開発期間短縮が可能となりました」

 

シノプシスのカスタム設計プラットフォームは、車載システムやIoT向けデザインで発生するばらつきを抑制し信頼性を向上させる各種の最先端設計機能を提供している。共通のシミュレーション環境で実行する徹底した経年劣化シミュレーションやモンテカルロ解析により、信頼性解析が容易になる。最先端のレポート機能、クロス・プロービング機能、視覚化機能により、車載システム向けデザインの設計者は、信頼性に影響を及ぼすデザイン上の問題箇所を、より早い段階で特定し修正することが可能になる。レイアウト工程の中でStarRCを用いて高精度なネットベースRC抽出を実行することにより、ほとんどイタレーションを起すことなくデザイン上のばらつきを抑制することができる。Custom CompilerとIC Varidatorの連携によるIn-Designアシスト機能により、レイアウト工程の中でDRC違反を特定でき、フィジカル検証サインオフのイタレーションを削減することができる。またシノプシス・カスタム設計プラットフォームでは、シミュレーション結果を用いて、エレクトロマイグレーションの影響をレイアウト実行中にダイレクトに解析することができる。

 

シノプシス デザイン・グループ プロダクト・マーケティング担当副社長 Bijan Kianiは次のように述べている。「今回の認証は、複雑なデザインを開発されている設計者の皆様にとって重要な意味を持っています。両社の緊密な協業を通じて実現した認証済みのカスタム設計プラットフォームとiPDKにより、カスタムデザインのレイアウトと回路シミュレーションの生産性は大幅に向上します」

 

Custom Compilerについて

Custom Compilerは、スケマティック・エントリーからシミュレーション、解析、レイアウトに至るまでのさまざまな設計作業を実行できるオープンな設計環境を提供している。シノプシスの回路シミュレータ、フィジカル検証ツール、デジタル設計ツールとの統合により、包括的なカスタム設計ソリューションを実現しており、FinFETデザインの完成までにかかる期間を数日単位から数時間単位に短縮する。Custom Compilerは、レイアウト設計者に、なじみ易いグラフィカルなユースモデルを提供することにより、複雑なコーディングや設計制約定義を行う手間を省き、設計生産性を向上させる。設計者は、特段のセットアップ作業をすることなく、繰り返し発生するルーチン・タスクを自動処理することができる。

Custom Compilerビジュアル・アシスト設計自動化ソリューションは、Layout、In-Design、Template、Co-Designの4つの “Assistants”機能を提供する。Layout Assistantsは、ビジュアルなガイド機能に従って配置配線を自動化することにより、レイアウトにかかる時間を短縮する。In-Design Assistantsは、物理的・電気的なエラーをサインオフ検証以前の段階で把握することにより、イタレーションを削減する。Template Assistantsでは、シンプルな操作で、既存のレイアウト・パターンを新しいデザインに適用できるため、蓄積した過去の設計ノウハウの再利用が容易になる。Co-Design Assistantsにより、カスタム回路とデジタル回路の混在デザインに対して、IC CompilerⅡとCustom Compilerを、統合された設計ソリューションとして使用することができる。

Custom Compilerは、業界標準の設計データベース OpenAccessをベースにしている。Custom Compilerに関する詳細情報は、www.customcompiler.infoより入手可能。

 

シノプシスについて

Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。

詳細な情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

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<お問い合わせ先>

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941