ニュースリリース - 2017年11月14日

シノプシスとCEA、車載アプリケーション開発を支援するエミュレーション・ソリューションの開発で協業

車載システム向けの最先端SoCのエミュレーション・ツールとしてZeBu Serverの高度化で提携

 

2017年11月13日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)とフランス原子力・代替エネルギー庁(CEA:French Alternative Energies and Atomic Energy Commission)は本日、車載SoCとシステム開発の促進を目指し、シノプシスのエミュレーション・ソリューション ZeBu® Server-3の高度化で協業を開始したことを発表した。ZeBu Serverは、その高い性能、検証容量、拡張性により、複雑な車載SoCのフルシステム検証と故障検出/修正メカニズムの探求を可能にする。今回の提携は、このZeBu Serverをベースに、車載システム開発期間の更なる短期化と業界標準規格に準拠した品質向上を実現するための技術開発の取り組みとなる。

 

エレクトロニクス・システムの複雑化はとどまることを知らず、特に自動車業界ではその傾向が顕著となっている。そのため、サイバーフィジカル・システム*1、スマートパワー・マネージメント、電子部品の安全性確保などの分野ではシステムのバリデーションで新たな課題に直面している。CEA LIST*2の研究者は、現在既に業界最速のエミュレーション・システムであるZeBuを使って研究を行っている。一方、次世代のサイバーフィジカル・システム、特に車載システムで求められる性能を満たすには、よりパワフルなエミュレーション・システムが必要となっている。CEAとシノプシスの共同研究は、ZeBu Serverを車載システムのマルチ-フィジックス・シミュレーション環境に統合した検証/ハイブリッド・エミュレーションの開発に焦点を絞り、関連する戦略的な業界パートナーシップを通じてこの要請に応えていく。さらに、ZeBu Server-3と、シノプシスの仮想プロトタイピング・ソリューション Virtualizer™ならびにPlatform Architect™との組み合わせにより、ADASアプリケーション開発のための大規模ハイブリッド・コ・シミュレーション・ソリューションも提供する。 

  *1  現実(フィジカル)世界の制御対象のさまざまな状態を数値化し、サイバー空間の強力なコンピューティング能力を活用して定量的に分析することで、経験と勘に頼らない知見を引き出して実現する、より効率的よい高度な社会のためのサービスやシステム

 *2  CEAの1機関で、700名の研究者と技術者(博士号取得者120名を含む)を擁し、情報通信技術(ICT)、エネルギー、交通、セキュリティ&防衛、健康、製造の各分野に関する研究を行っている

 

CEA LIST ディレクター Philippe Watteauは次のように述べている。「CEAでは、新しい高性能エミュレーション・テクノロジによって最先端の故障注入テクニックと標準メソッドをいかに進化させることができるか、という問題に取り組みます。シノプシス社との共同開発を通じて最新鋭のエミュレーション機能を活用することにより、CEAは、自動車業界のパートナー企業が直面するエレクトロニクス・システム開発のニーズにより効率的に対処できる技術を提供できるようになります」

 

共同研究では、主として以下の3点に注力する。 

  • センサーやアクチュエーターなどのフィジカル・コンポーネントと、エレクトロニクス・システムならびにソフトウェアからなるサイバー・コンポーネントを組み合わせた複雑な車載システムのバリデーション、それによって必要となる大規模ハイブリッド・コ・シミュレーションに発展するマルチ・シミュレーション・ドメイン・ツールの組み合わせ
  • 車両E/E(Electric/Electronics)アーキテクチャで必要となるエネルギー配分と放熱を織り込んだ消費電力見積もりをエミュレーション・スピードを落とすことなくオンラインで実行
  • エミュレーションによって可能となる検証スピードと精度を応用した新しいメソドロジの開発によるデザイン信頼性のキャラクタライズと改善

 

シノプシス ベリフィケーション・グループ R&D担当副社長 Eshel Haritanは次のように述べている。「当社では、非常に厳しい開発期間目標も達成できる革新的な検証テクノロジを用いて検証エンジニア、ソフトウェア開発者の能力を更に向上させるべく、半導体企業、Tier 1 サプライヤ、OEMメーカー各社と協業を重ねています。この分野の先進の研究機関と協同して自動車開発の新しい段階にエミュレーション技術を投入できることは大きな喜びです」

 

今回の提携は、車載システム開発期間の更なる短期化と、業界標準規格に準拠した品質向上の実現に向けた取り組みである。また、先進運転支援システム(ADAS)の検証に必要とされる技術ニーズに対応することにより、自動車/輸送業界前代に新しい成長機会をもたらすことを目指している。

 

CEAについて
フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA:French Alternative Energies and Atomic Energy Commission)は、防衛ならびにセキュリティ部門、核ならびに再生可能エネルギー部門、工業技術研究部門、物質科学ならびに生命科学の基礎研究部門の4部門からなる先進の研究開発機関である。詳細情報はhttp://www.cea.fr/より入手可能。

LISTは、CEA Tech(CEA Technological Research Division)の研究機関として、スマート・デジタル・システムの研究を行っている。重大な経済/社会問題に対処するため、最先端の製造技術、組込みシステム、デジタル・ペイシェント・アプリケーションのデータ分析技術、などに対するR&Dプログラムを展開している。CEA LISTでは、最先端の革新的なテクノロジを開発し、技術移転することで、関係企業の業界での競争力強化を図っている。クオリティの高い各種の共同研究の実績から、2016年からCarnot Institutesネットワークに参画している。詳細情報はwww-list.cea.fr より入手可能。

 

シノプシスについて
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供している。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっている。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。

 

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日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-6746-3940                  FAX: 03-6746-3941